ポルトガル旅行記2016(15)大航海時代の人物像(2) | たびぶくろツアー☆

たびぶくろツアー☆

とあるオッサンの手慰み



2015年

12月30日


ポルトガル

リスボン



 
発見のモニュメントは1960年に建立
帆船に見立てた台座の上には大航海時代に活躍した33人が
モニュメントの左舷と右舷に別れて
テージョ川に向かって建ち並ぶ





今回は右舷の人物紹介




①エンリケ航海王子:ポルトガルによる植民地化を積極的に行ったが、自分の失策で弟を失ってからは国内の執政と
探険家への支援に専念する


②フェルナンド聖王子:エンリケ航海王子の弟 アヴィス騎士団総長
他の兄弟たちと共に北アフリカ遠征中にフェズ王国の捕虜となる
フェズ王国はフェルナンドの身柄と引き替えにポルトガルが奪ったセウタの返還を要求
しかし、重要な拠点と自分の交換を自ら拒否し監禁の身に耐えることを決心する
1443年フェズで死去 


③ジョアン・ゴンサルヴェス・ザルコ:海洋探険家 マデイラ諸島に到達、その後植民地化を行った

④ジル・エアネス:15世紀の海洋探険家 当時カナリア諸島南のボジャドール岬の先には世界の果てがあり、煮えたぎる海が拡がっていると信じられていた
この迷信に対する当時の船乗り達の恐怖は絶大なもので、この岬を越えて航海を実現させることは不可能に等しかった
しかし、その迷信に懐疑的なエンリケ航海王子はジル・エアネスを派遣 彼はついにこの地を踏破し、この迷信は破られた

⑤ペロ・デ・アレンケール:ギニア航路の老練な水先案内人 のちにヴァスコ・ダ・ガマと共にインドを目指す


⑥ペドロ・ヌネス:16世紀の最も偉大な数学者の一人でポルトガルの大航海時代に重要であった航海技術への貢献で知られる
等角航法の最初の提案者であり、測定器を発明し、その中には彼のラテン名で呼ばれるノニウス(ノギスの名の由来になった)が含まれる


⑦ペロ・デ・エシュコバール:サントメ島、アノボン島、プリンシペ島を発見した15世紀の海洋探険家 ヴァスコ・ダ・ガマ、ディオゴ・カォン、ペドロ・アルヴァレス・カブラルらと航海を共にした

⑧ヤコム・デ・マイロカ:天文学者 彼の知識は海図作成に重要な役割を果たした

⑨ペロ・ダ・コヴィーリャ:15世紀の冒険家 1487年アレクサンドリアを経てカイロに到達、ムーア人の隊商に加わって紅海を下りインドを目指す 1488年インドのカノナール港に着きインドに足を踏み入れた最初のポルトガル人となる
その10年後 1498年ヴァスコ・ダ・ガマ、インドに到達

⑩ゴメス・イアネス・デ・ズラーラ:王室年代記の記録官 セウタ攻略やギニア発見、征服の歴史等を綴る 王室寄りの記録であるため歴史書としての信頼性は疑わしいとの見方もある

⑪ヌーノ・ゴンサルヴェス:15世紀の画家 6枚の衝立(ついたて)からなる「サン・ヴィセンテの祭壇画」を描いたことで知られる

19世紀後半 彼の作品が発見されてから画家が絵の中に描いた人物が誰なのか物議を醸してきた 3枚目の衝立に現れる人物がエンリケ航海王子ではないかと議論されている




⑫ルイス・デ・カモンイス:16世紀の詩人、軍人 1549年に初の海外軍役としてアフリカ北西部の植民都市セウタに赴いたが、ムーア人との戦闘で右眼の視力を失う
ポルトガルに帰還後、傷害事件で投獄されたが、海外での軍務などと引き換えに釈放
 カモンイスは1553年にインドにある植民地ゴアに向かい、戦闘に参加しながら現地の慣習や歴史を学んだ
 軍務終了後にはマカオの士官として勤務し、同地で彼の代表作になる『ウズ・ルジアダス』の執筆を本格的に始めた 1558年に帰国を開始したカモンイスはメコン川河口付近で難破し、中国人の愛人を失うが『ウズ・ルジアダス』の原稿は守り、その内容はこの難破によってさらに強化された
『ウズ・ルジアダス』の第3詩20節の1節「AQUI…ONDE A TERRA SE ACABA E O MAR COMECA…(ここに地終わり、海始まる)」はユーラシア大陸最西端、ロカ岬の碑文に刻まれている




 大航海時代に入って航海技術が発達し、ヨーロッパ人がそれまで行くことができなかった地域に足を伸ばすようになると、多くのカトリック宣教師がアジアやアメリカへ向かった
 世界各地に盛んに宣教師を派遣した修道会はフランシスコ会とドミニコ会、そしてイエズス会
⑬エンリケ・カルヴァーリョ:インド・アンゴラで宣教活動していたフランシスコ修道会の修道士

⑭ゴンサーロ・デ・カルヴァーリョ:インドで宣教活動していたドミニコ修道会の修道士

⑮フェルナン・メンデス・ピント:中国方面への貿易商を生業とし、1556年にルイス・フロイスらと共に来日した
 彼はポルトガルの東アジアにおける植民地主義に対してキリスト教の布教に見せかけたものとして鋭い評価を著書「遍歴記」の中で行っている

⑯フィリパ王妃:イングランドからポルトガル国王ジョアン1世のもとに嫁ぐ
 病床でセウタ攻略へ向かう王子たちを呼び「勇ましく戦っておいで」と剣を与え送り出したとされる

⑰ペドロ王子:エンリケ航海王子の兄 父や他の兄弟たちと共にセウタ攻略に参加した
 幼くして即位したアフォンソ5世を摂政として助けたが、のちに政敵に謀殺される





「もう疲れたよ…」とイベリコ