「空白の五マイル」
角幡 唯介著 集英社
2010年第8回開高健ノンフィクション賞受賞
話は1880年 インド シッキム州の仕立屋キントゥプが
ある理由により,チベットの
謎の川として長い間、探検家をてこずらせてきた
ツアンポー峡谷を冒険することから始まる
1884年 その冒険から無事生還したキントゥプは
その峡谷の奥地で巨大な滝(落差45メートル)を発見したと報告したことが
世界中に拡まり、多くの探検家を魅了することになる
しかも、ツアンポー峡谷にはチベット仏教の理想郷伝説(シャングリ・ラ)もあるという…
1924年 イギリスのプラントハンター(珍しい植物を発見し持ち帰る職業)の
フランク・キングドン=ウォードが苦労の末
ツアンポー峡谷で2つの滝を発見するも
キントゥプがいうような巨大な滝ではなかった
そしてキングドン=ウォードが探険を断念した区間は後に
「空白の五マイル」と呼ばれ1990年代以降 多くの探検家の目標となった
米国の登山家、チベット仏教研究者、中国の探検隊 日本のTV局
もちろん本書の著者も、この空白の五マイルを目指す
果たして幻の巨大な滝は存在するのか?
伝説の理想郷はあるのか?
詳しくは本書で
ノンフィクション冒険物としては
神秘的で最初から話にぐいぐい引き込まれる
秘境を冒険するということは、いかに困難であるかを教えてくれる
おれは絶対無理だわ…こんなの
体中ダニに噛まれて爬虫類のウロコのように皮膚がボコボコになったり
岩壁から墜ちて死にかけたり
食糧がなくなったり………
しかし、読んでいて著者といっしょに
空白の五マイルを冒険したような気になった
お勧め度 ★★★
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