「カポタスト」とは、
ギター独特の移調の為の器具のことです。
ご存知の方には余計なお世話で申し訳ありません。
例えば、ピアニストやアコーディオニストは、
ハ長調で書かれた楽譜を、
現場でト長調に移調しようとすると、
頭の中で全ての「ファ」の音に「#」を付けながら演奏する訳です。
「#」が3つのイ長調に頭の中で移調しながら演奏しようとしたら、
頭の中で、たえず「ファ」と「ド」と「ソ」に「#」を付けながら、
凄い勢いで頭を働かせながら演奏しなければなりません。
ピアニストやアコーディオニストは、
現場で移調しながら演奏しようとしたら、
「#」が幾つ付こうと、「♭」が幾つ付こうと、
この神業の様な作業をしなければなりません。
私はギターの名手ではないので、
とてもその様なことは出来ません。
そこで大活躍するのが、
ギター独特の移調の為の器具「カポタスト」です。
「カポタスト」とは、
ハ長調で書かれた楽譜はハ長調のままの弾き方で、
別な全ての調に平行移動させることが出来る、
とてもスーパーな器具なのです。
仕組みは簡単です。
割りばしをフレットにあてがって紐で縛り付けたのと、
全く同じ簡単な器具です。
第1フレットから第11フレットの、
どこかに「カポタスト」を装着することによって、
全ての調に移調することが出来るのです。
こんなに簡単に全ての調に、
現場でワンタッチに移調して演奏出来るなんて、
「カポタスト」は何とワンダフルなスーパーな器具ですし、
ギターとは何と数学的にパーフェクトな楽器なのでしょう。
ところで、「ソロギター弾き歌い」とは、
本来、自分でギター伴奏をしながら、
自分で歌う様式のことを言います。
しかし、私が伴奏用のソロギターを弾きながら、
私とは全く別な人が歌っても良い訳です。
私は、「ソロギター弾き歌い」用の楽譜を、
全て自分で編曲しているので、
折角作った楽譜ですから、
私が伴奏して全く別な方が歌っても良い様に編曲しています。
つまり、私が編曲作成する楽譜は、
歌の伴奏用の「ソロギター」の楽譜なのです。
伴奏用のギターなのに「ソロギター」とは如何に。
私の編曲は、
「歌う為の伴奏用ソロギター」の為の編曲と言うことです。
「伴奏用ソロギター」ということは、
何調で書かれた楽譜でも、
歌い手の声の音域により、
現場で全ての調に移調して演奏しなければなりません。
「伴奏用ソロギター」には、「カポタスト」は必需品なのです。
さて、ギターと言う楽器は、
いったい何調の為に存在する楽器でしょうか。
ギターの構造上、
解放弦を最大限に生かせるのは「ハ長調(イ短調)」です。
したがって、数学的には、
ギターは「ハ長調(イ短調)」の為に存在しています。
私は、全ての楽譜を、
解放弦を最大限に生かせる、
数学的に完璧にギター的な「ハ長調(イ短調)」に、
河合楽器の楽譜作成ソフト「スコアメーカー8 Pro」を使って移調した後に、
編曲しています。
結局、何調で作られた楽譜でも、
「伴奏用ソロギター」は、
現場で歌い手に合わせて全ての調に移調しなければなりません。
何調で書かれた楽譜でも、
全ての調にワンタッチで移調できる「カポタスト」という器具は、
本当にスーパーなワンダフルな器具だと思います。
ではでは。