見た目より弱い6月の米雇用 | 経済あらかると

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 6月の米国雇用統計はほぼ予想通りの数字となりました。雇用は206千人増と、予想の200千人をやや上回りましたが、失業率は4.1%と、前月の4.0%から高まりました。しかし内容は見た目より弱めです。

 

 雇用の内容を見ると政府雇用が70千人増えた一方、民間は136千人増にとどまりました。特にテンプ・サービスは49千人減、製造業は10千人減、小売りも9千人減となりました。

 また5月分が272千人増から218千人増に、4月分も165千人増から108千人増に下方修正、合わせて111千人下方修正されています。

 

 失業率が0.1%上昇したうえに、27週以上の長期失業者が166千人増えて150万人となりました。労働参加率は0.1ポイント高まって62.6%となりましたが、就業率は60.1%で横ばいです。

 

 平均時給は前月比0.3%、前年比3.9%増と、やや伸びが鈍化しました。

 

 この指標を受けて、市場は長期金利がやや低下、株価は先物がやや上昇となりましたが、現物市場スタート時にはS&Pとダウが小幅マイナスとなり、ナスダックは上昇を維持しています。ドル円は161.20円前後で小幅円高となっています。9月の利下げ確率は75%となっています。