日銀は本日、今月開催した決定会合の「主な意見」を公表しました。これによると、審議委員の多くが利上げに傾斜していたことがわかり、これを政治的な配慮であえて見送った形がうかがえます。
経済については弱い点も認識し、特に消費の弱さは車の一時的な問題だけでなく、物価高が圧迫しているとの認識も広くみられました。そして物価については、先の展望リポートに沿った動きとの認識が主流で、一部の委員がまだ「基調のインフレ率は2%に達していない」と述べていました。
金融政策については多数の委員が利上げを相当と考えていて、中には次回会合においてもデータを確認の上、遅滞なく対応すべきと述べています。
慎重派は消費の弱さや車の影響を確認してからでも遅くない、短期的な為替に振り回されるべきでないと、利上げに反対していますが、少数派に見えました。
それでも今回利上げを見送った背景には、「天の声」を考慮したトップの判断があったとみられます。日銀内の判断はもう利上げに動くべきとの声が多くなっていますが、7月会合で「天の声」がまだ聞こえるのか、これを無視して日銀が決断できるのか、日銀のリーダーシップが問われます。
また日銀保有国債の減額については政策と離れて進めるべきといい、減額が必要なことは一致していますが、影響を考えて、債券市場関係者の声を聴いてから、となりました。7月上旬に意見を聴く会が予定されています。