米景気好調のドル高では | 経済あらかると

経済あらかると

生活を豊かにする経済情報を提供します。

 当局が気にする中で、ドル円が154円台に乗りました。昨日発表の3月の米国小売りが好調で、長期金利がさらに上昇し、ドルが一段高となりました。

 

 3月の小売りは前月比0.7%増と、市場予想の0.3%増を大きく上回りました。しかも2月分が当初の0.6%増から0.9%増に上方修正されました。

 

 内容はオンライン分が2.7%増、ガソリン価格が上昇したG.スタンドが2.1%増となった一方、自動車、同部品は0.7%減となりました。GDPの消費に近いコアの小売りは1.1%増となっています。

 

 この数字を受けて、アトランタ連銀の「GDPナウ」は1QのGDPをこれまでの年率2.4%成長予想から2.8%成長に引き上げました。個人消費を2.9%から3.4%増に、国内民間投資を2.9%から3.4%に引き上げたためです。

 

 米国景気の好調を示す指標を見て、利下げ開始は早くて9月に後退し、10年国債利回りは4.6096%に上昇しました。この金利高にイスラエル戦争の報復不安も重なって、株式市場のVIX(恐怖指数)は19を超え、ダウは朝方300ドル余り上昇していましたが、強い指標で下落に転じ、最後は248ドル安に、ナスダックは290ポイント安となりました。

 

 金利高をみてドルが上昇、ドル円は154,44円まで上昇しました。米景気好調ゆえのドル高円安では日本の当局もなすすべがありません。