川上の物価水位再び上昇機運 | 経済あらかると

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 日銀は本日、3月の企業物価の結果を公表しました。国内企業物価の下落基調が終わって再び上昇気味となりました。川上の輸入物価にまた水位の上昇がみられます。

 

 3月の国内企業物価は前年比0.8%の上昇となり、前月の0.7%からまた高まりました。昨年までの低下傾向が終わり、また前年比上昇率が加速し始めました。その裏に川上の輸入物価の下げ止まり、上昇加速があります。

 

 3月の輸入物価は前年比1.4%の上昇と、2月に0.2%ながらプラスに転じてからさらに加速しています。契約通貨ベースの下落幅が縮小(2月のマイナス8.3%からマイナス6.9%)した上に、為替が円安になっていることも円ベースの輸入物価を押し上げています。

 

 契約通貨ベースの輸入物価下落は、まだ石油石炭LNGが前年比16.9%の下落となっていることに引っ張られていますが、原油価格がまた上昇しています。この部分もいずれプラスになるとみられ、川上の物価水位はさらに上昇が見込まれます。

 

 すでに国内企業物価の上昇が加速気味となりましたが、これがやや遅れて消費者物価の「財」の価格上昇につながります。CPIも川上の水位上昇で財価格が上昇率を高めるようになり、さらに賃上げコスト高でサービス価格も上昇が高まりそうです。

 

 政府日銀はいい加減に「デフレ脱却を目指す」などと寝ぼけたことを言っていないで、消費者の立場からインフレに立ち向かってほしいものです。