国内企業物価に下げ止まり感 | 経済あらかると

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 日銀が本日公表した12月の企業物価統計によると、国内企業物価は前年比ゼロまで低下しましたが、前月比ではすでに下げ止まり感が見られます。前年比でも低下基調が終わりを迎えそうです。

 

 12月の国内企業物価は前月比0.3%の上昇と、前月に続いて上昇しました。石油石炭が前月の3.2%上昇に続いて12月も3.7%上昇し、電子部品・デバイスも1.0%の上昇となったことが寄与しています。

 

 前年比では11月の0.3%上昇から12月はゼロまで低下しましたが、そろそろ底入れが見えてきました。もっとも、12月は為替が3.9%円高になり、久々に円高で輸入物価が下落する形となりました。契約通貨ベースでは横ばいでしたが、円高で円ベースの輸入物価は前月比3.0%の下落となりました。

 

 水際での物価上昇が抑えられた分、国内への上昇圧力も弱まりますが、このところ為替が145円前後で膠着しているため、円高による輸入物価の下落には限度がありそうです。また紅海での紛争から日本への船が大回りして輸入コストが高まる面があり、原油や欧州からの輸入品は高止まりリスクがあります。

 

 その分、国内企業物価や消費者物価の「財」の上昇率低下も間もなく一服する可能性があります。