米CPI上振れも市場はリスクに無頓着 | 経済あらかると

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 注目された米国の12月のCPIは予想を上回る強い結果となりました。全体は前月比0.3%上昇と、前月の0.1%、市場予想の0.2%を上回りました。前年比でも3.4%の上昇と、11月の3.1%、市場予想の3.2%を上回りました。

 エネルギーと食料を除いたコアでも前月比0.3%、前年比3.9%の上昇と、11月の4.0%からは改善しましたが、市場予想の3.8%は上回りました。

 

 前月比ではエネルギーが0.4%上昇、前月の2.3%下落から反発しました。またコアの中では帰属家賃が0.5%の上昇と、前月の0.4%から加速、メディケア・サービスが0.7%と、前月の0.6%に続いて高い上昇となりました。

 

 モノでは新車が0.3%、中古車トラックが0.5%上昇しています。食料は前月同様0.2%の上昇にとどまっています。

 

 予想より強かったCPIの発表を受けて、市場は一瞬金利高、株先物下落で反応しましたが、すぐに買い戻しが入り、10年国債利回りは最後に3.9753%と、前日の4.030%より低下しました。ダウも最後には15ドル高で終わりました。株式市場の恐怖指数(VIX)も低下しています。

 

 短期金融市場は3月の利下げ確率が前日の69%から63%に低下しましたが、依然として3月利下げが太宗となっています。クリーブランド連銀のメスター総裁やNY連銀のウイリアムズ総裁が早期利下げを否定する発言をしましたが、市場は聞く耳を持ちません。CPIが高かろうと、当局が利下げに慎重な発言をしても利下げを期待して株、債券を買い進めています。リスクに無頓着な市場に、なにか気味の悪さを感じます。