金融不安とインフレが併存する中で注目されたFOMCですが、0.25%の利上げを行い、「継続的な利上げが必要」との文言を外しました。それでもパウエル議長は「必要なら更なる利上げの用意がある」と述べました。
議会証言では強い指標の後を受けて「12月見通しより金利を引き上げる」と述べましたが、その後の金融不安もあり、今回の「見通し」ではほぼ12月見通しに近いものとなりました。
政策金利のピークは5.1%で変わらず、来年末の金利が4.3%と、前回の4.1%よりやや高まりましたが、来年の金利予想はばらつきが大きく、中央値が4.3%になっただけで、極めて流動的です。GDP見通しは今年来年ともに、12月見通しよりやや引き下げました。今年4Qは0.4%、来年4Qは1.2%とし、金融不安の抑制効果を織り込みました。インフレ見通しは前回より今年、来年を0.1ポイント引き上げ、今年、来年末のコアインフレ率を3.6%、2.6%としました。
この決定を得て、市場は株安、長期金利の低下で反応しました。ダウは530ドル安、ナスダックも190ポイント安、2年国債利回りは0.25%の利上げにもかかわらず、3.9597%と、前日から20bp以上低下しました。当局は年内利下げはないとしていますが、市場は金融不安から利下げが早いと見ています。