日銀の緩和修正期待で円売り縮小 | 経済あらかると

経済あらかると

生活を豊かにする経済情報を提供します。

 米国のインフレ改善と日本のインフレ懸念、日銀の緩和修正期待で、円売りが縮小、週末には一時ドル円が127円台を付けました。投機筋の円ショートが縮小しています。

 

 シカIMMの通貨先物非商業取引を見ると、先週10日までの週に、主要通貨のポジションがあまり変わらない中で、円の売り越しが1万枚以上縮小、これが円高に作用した面があります。

 

 この間、ドルはスイス、ポンド、カナダなどに対してはむしろドル買いが増えていて、その他資源通貨にはポジションが動いていませんでした。その中で円は売りが1万枚以上縮小、売り越し枚数も前週の4万7千枚から3万5千枚に縮小しました。

 

 一般には米国のインフレ指標が改善し、米金利低下でドル安が進んでいるとの認識ですが、ドル円のポジションが大きく縮小しているほかは、投機筋のポジションはあまり動いていません。日銀が前回の決定会合で事実上の長期金利上昇を容認し、黒田総裁の任期が近づいている中で、今月の決定会合でも緩和の修正がなされるのではとの期待が円の買戻しを誘っています。

 

 米国のインフレが順調に改善している一方で、日本の物価が予想以上に高まっいることも、政策ギャップの縮小期待をもたらし、円高要因になっています。