総務省が本日公表した7月の家計調査によると、コロナ規制の緩和でレジャー関連消費が増えたものの、物価高が消費の頭を押さえました。物価上昇を差し引いた7月の実質消費水準は、4-6月を1.1%下回り、8月以降大きく回復しないと、7-9月の消費はまたマイナスの懸念があります。
7月の実質家計消費は、季節調整後の前月比で1.4%減、前年比では3.4%の増加となりました。内訳を前年比でみると、住居費が19.0%増と大きく増えたほか、教養娯楽費が11.2%増、交通通信が7.0%増と、全体を押し上げました。ここにコロナ規制の緩和効果が伺えます。
実際、増加寄与度の大きい費目をみると、宿泊料の寄与が0.30%、国内パック旅行が0.29%、鉄道運賃が0.26%、航空運賃が0.11%と、規制のない夏休みでレジャー関連消費が増えた形になっています。
また外食が0.54%押し上げていて、飲食サービスも増えたようです。
その資金源について見ると、勤労者世帯の実質実収入は前年比4.6%減、実質可処分所得も同5.0%減となりましたが、消費性向が前年7月の56.2%に対して今年は60.2%に上昇、これまでの貯蓄で消費を増やした形になっています。その結果、勤労者世帯の消費は前年比1.7%増となりました。なお、無職世帯の消費は前年比3.1%増となっています。
物価が前年比3.1%上昇したために、購買力を奪われています。これまでの貯蓄があるうちは良いのですが、これを使い切ってしまえば、後は物価高分消費は落ち込みます。8月の物価指数は3.5%上昇に高まる見込みで、懐は一段と厳しくなります。