英国ではジョンソン首相の後任に、トラス外相が選ばれました。3人目の女性首相となります。
彼女は積極的なウクライナ支援の立場で、ロシアのプーチン大統領からは早速批判的なコメントがなされています。東西対立を強める人物と見られています。
そして物価高に対しては、物価を抑制するのではなく、物価高の痛みを軽減する立場をとっています。このため、選挙戦の最中から減税を打ち出していました。
英国の7月のCPIは前年比10.1%の上昇と、40年ぶりの高い上昇となっています。これに減税で企業や個人の購買力を補填し、需要を維持すれば、インフレは収まりません。
インフレと景気悪化が併存するスタグフレーションに対して、インフレ抑制を優先する米国、ユーロに対して、英国、日本はむしろ景気優先策をとっています。石油ショック時の経験から見ると、当時インフレ抑制を優先したドイツ、日本がいち早くインフレを克服したのに対し、景気優先をとった米国やフランスはインフレが長期化し、最後にボルカー議長のような荒療治を余儀なくした経緯があります。
今回は英国、日本でインフレが長期化する懸念があり、日本では黒田総裁の後任が利上げを余儀なくされそうです。