ドル高、ユーロは再びパリティ接近 | 経済あらかると

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 FRBのインフレ抑制姿勢が浸透するようになり、米金利高、ドル高が進んでいます。その一方でドイツの生産者物価(PPI)が統計開始以来最大の上昇となってユーロが下落、再び1ユーロ1ドルのパリティに接近しています。

 

 FRBの幹部が今週相次いで発言し、FRBは多少の景気悪化でもインフレ抑制の姿勢を続けるという強い意志を示しました。市場は来年にも景気懸念で利下げを期待していましたが、FRB幹部はこれを否定、インフレが2%に沈静化するまで高い金利水準を維持するとの姿勢を強調しました。

 

 このため、9月の利上げ幅は75bp予想が45%、50bp予想が55%と、拮抗してきました。その中で10年国債利回りは一時2.998%と、再び3%に接近、2年国債利回りも3.265%に上昇、2年・10年金利差は一時マイナス56bpまで逆イールドが拡大していましたが、昨日はマイナス27.6bpに縮小しています。

 

 一方、ロシア産ガスの供給制約を強く受けるドイツのインフレが高進しています。7月の生産者物価(PPI)は前月比5.3%、前年比37.2%の上昇と、1949年の統計開始以来最大の上昇率となりました。ドイツ経済の不安を見越して、ユーロドルは1.0033ドルまで下落、再びバリティ割れをうかがう形となりました。

 

 また中国も経済不振から利下げを余儀なくされたことから人民元の下げが続き、昨日は1ドル6.8199元まで下げています。

 

 このドル高、米金利高のなかで米国株は調整し、ダウが292ドル安、ナスダックは260ポイント安となっています。