インフレの足音 | 経済あらかると

経済あらかると

生活を豊かにする経済情報を提供します。

 総務省は本日、2月の東京都区部の消費者物価の結果を公表しました。食品、エネルギーの価格上昇で、インフレの足音が聞こえるようになりました。

 

 前年比でみた物価上昇率は、全体が1.0%(前月は0.6%)、生鮮食品を除いた「コア」が0.5%(前月は0.2%)の上昇、エネルギーも除いた「コアコア」は0.6%(前月は0.7%)の下落と、いずれも高まりました。また季節調整後の前月比も、全体が0.5%(前月は0.3%)、「コア」は0.3%(前月は0.1%)、「コアコア」は0.1%(前月は0.2%)の上昇となっています。

 

 限界的に上昇が加速気味で、直近3か月の瞬間風速(3か月前比年率)は、全体が3.6%、コアが2.4%、コアコアが1.6%の上昇と、今年になって上昇が目立つようになりました。

 

 個別の上昇要因を前年比でみると、生鮮食品が12.2%上昇して全体を0.46%押し上げ、その他食品が1.2%上昇して0.25%押し上げています。食品だけで0.71%押し上げています。またエネルギーは24.2%上昇して全体を1.06%押し上げています。食品とエネルギーで1.8%押し上げていることになります。

 

 一方、通信費は32.9%下落して、全体を1.14%押し下げています。通信費の値下げがなければ、全体は2.1%上昇していたことになります。

 

 エネルギーの中でも電気代が24.2%上昇して0.58%押し上げ、ガス代は26.8%上昇して0.36%押し上げています。両者は4月以降も押し上げが見込まれていて、通信費の下げ効果がなくなる4月以降はやはり高いインフレ率が出そうです。さらに食品の値上げがこれから続々と出てきます。そして、ウクライナ紛争で、穀倉地帯からの小麦など穀物の入荷が減りそうで、穀物相場はすでに大きく上昇しています。ウエイトが大きいだけに、食品の値上げは物価全体に大きな影響を持ちます。