欧州でもインフレ懸念が高まっています。天然ガス価格の高騰など、エネルギー価格高が大きな圧迫要因ですが、ウクライナ危機で状況がさらに悪化しています。
欧州でも物価の優等生とされるドイツでさえ、インフレの脅威にさらされています。1月の生産者物価(PPI)が、前月比2.2%(前月は5.0%)、前年比は実に25.0%(前月は24.2%)の上昇と、大幅な上昇となっています。
エネルギー価格が66.7%と大幅高となっているのが主因ですが、これを除いても12%の上昇と、エネルギーも含めた米国や日本のPPIより高くなっています。
今回のウクライナ東部地区の独立、ロシア軍の派遣を受けて、22日のアジア時間で北海ブレントは97ドル台まで上昇しています。そして対ロ制裁によっては原油価格の一段高も予想され、ロシアのガスに多くを依存する欧州のエネルギー事情が厳しくなります。日本の余剰ガスや中東、米国のガスを欧州に回す手はずとなっていますが、それぞれに多くの余裕があるわけではなく、ウクライナ紛争がさらにエネルギー事情を悪化させそうです。
もっとも、ロシアへの制裁の形如何では、エネルギー国家ロシアをたたくために、2008年のようにエネルギー価格の急落を引き起こす可能性もあり、当面原油価格は不安定な動きとなりそうです。