日銀無制限の指値オペ空振り | 経済あらかると

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 日銀は本日、10年国債を利回り0.25%で無制限の指値オペを通告しましたが、正午までの締め切りに応札はなく、空振り終わりました。

 

 先週、米国のCPI高騰を受けて、日本の10年国債利回りも一時0.244%をつけ、日銀の管理限界0.2%を超えてきたため、金利上昇を抑える目的で、指値オペが通告されました。ところが、その後ウクライナへのロシア軍侵攻リスクから金利が大きく低下し、これが日本にも波及して10年国債利回りは0.205%まで下げていました。このため、わざわざ日銀が指定する低価格で売ることもなく、応札なしとなりました。

 

 ある意味、ウクライナに救われた面があり、このまま無制限の国債買い入れをして流動性供給を高め、円安が進めば今日の輸入インフレをさらに悪化させます。またかつて無制限の指値オペをやっても金利上昇を抑えられず、金利の変動幅を拡大(金利上昇を追認)した経緯もあります。

 

 指値オペが実現していたらそれなりに問題も生じていた可能性があり、ウクライナ危機で金利が低下してやれやれ、というところでしょうか。しかし、米国の利上げはまだこれからで、日本の金利上昇圧力はこれで終わったわけではありません。