経高政低の欧州 | 経済あらかると

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 ドイツで連立協議が破たんし、これまで欧州の力強いリーダーとなってきたメルケル首相がにわかに苦境に陥り、再選挙に追い込まれると、欧州は来年夏まで大きな政治空白に陥ります。これから英国がEU離脱で本格交渉の段階に入る時期に、独仏を中心としたリーダーシップが後退することになります。進みかけた難民・移民問題も頓挫するリスクがあり、対ロシアの安全保障問題も予断を許しません。

 

 この政治的な混乱をよそに、経済指標は予想以上に強いものが出ています。ユーロ圏の総合PMIは11月に57.5と、市場予想を上回る高水準となりました。製造業が60.0、サービスが56.2と、いずれも市場予想を上回りました。

 

 このうちドイツでは製造業が:けん引する形で57.6と、10月の56.6から上昇。フランスも10月の57.4から11月は60.1と、2011年以来の60台乗せとなりました。

 

 ECBは先月の理事会で来年の資産買い入れを半減して9月まで延長することを決めましたが、12月の理事会ではこれを確認するだけで、新たな議論はなされない模様です。経済の好調が続けば、来年9月で資産買い入れが終了する可能性が高まります。それでも利上げは2019年以降と見られています。