FRBのイエレン議長は26日、ワシントンで行われた全米エコノミスト協会の年次総会最終日に講演し、緩やかなペースでの利上げは継続する必要があると述べました。これで12月の利上げ確率が76%に上昇、ドルが買われました。
イエレン議長はエコノミストを前にしての講演であったため、インフレ・モデルや労働市場の判断にFRBも誤りを犯す可能性があると認め、従って今後も常にオープンな姿勢で臨む、と慎重な言い回しです。
それでも、利上げ計画を変更しなければならないほど、インフレ動向が大きく変化したとの証拠はなく、利上げ計画を続けると表明。インフレ率が2%に戻るまで金融政策を据え置くと、労働市場のタイトな状況から、いずれインフレが進み、リセッションへの対応を難しくするからだ、と説明しました。
12月の利上げはかなり織り込まれましたが、来年の利上げについて、FRBは3回の利上げを想定していますが、金融市場はまだ1回しか織り込んでいません。
なお、同じ日にFRBのブレイナード理事も別の場で講演しましたが、こちらは金融政策には触れず、労働市場での格差が潜在成長率を抑制していると述べています。