NYダウが奇怪な動きを見せています。週末のダウは前日比11ドル高で終わり、これで11日連騰という形となりました。しかし、この日もほとんどの時間帯で50ドルから60ドルのマイナス圏で推移していたのが、市場がクローズする間際に急速な買いが入って、最後にはプラスとなりました。このようなパターンがこのところ目立ちます。
市場の雰囲気は終始弱気でした。ムニューシン長官の前日の発言、つまり財政改革案は夏休み前に通したい、今年の米国経済への影響は小さい、との発言が重しになり、10年国債利回りは2.3%の前半まで下がりました。これでドルも下落、ドル円は一時112円を割り込みました。
欧州市場も政治不安に銀行株安で全般に弱く、その流れをNYも引きずったのですが、最後に大手ファンド筋が買いを入れてきました。とにかく、目先は何が何でも押し上げておきたいようです。
あるいは、政権に近い筋は、財政法案の議会通過は遅れるものの、トランプ大統領が28日の場回演説で大型減税やインフラ投資をぶち上げるとの情報でもにぎっさているのか、あるいは吊り上げるだけ吊り上げておいて、大統領が財政案を提示したところで、材料出尽くしとして売りに転じるのか、いずれにしても、このところのNY株の最後の押し上げは何とも気になります。
財政改革法案の通過は遅くなっても、プランの提示は近々なされる可能性はあります。