財務省は今年1月の貿易統計を発表しました。輸出は金額ベースで前月比0.7%増、前年比1,3%増と減速、輸入は前月比3.7%増、前年比8.5%増と、こちらは増勢を強めています。この結果、1月の貿易収支は1兆869億円の赤字と、前年の6477億円の赤字から大きく拡大しました。
もっとも、例年1月は赤字になりやすく、季節調整すると1月は1555億ドルの黒字ですが、これもひところに比べると黒字が小さくなりました。
輸出の減速は、自動車輸出が6.7%減少したのが大きく寄与しています。これは主に米国向けで、全体の対米輸出は6.6%減でした。反面、米国からの輸入は11.9%増となったため、トランプ氏が批判する対米黒字は3993億円に縮小しています。1兆円余りの貿易赤字の約9割は対中国での赤字です。
数量ベースでみると、輸出数量は前年比0.3%減と、前月の8.4%増から反落しました。特に、米国向けが12月の5.2%増から5.1%減に、中国向けが前月の20.7%増から3.1%増に急減速しています。これは春節の影響と思われます。
なお、生産やGDPを見るうえで参考となる日銀の実質輸出は、季節調整後で前月比1.1%減と続落、10-12月の水準と比べても1.1%減と弱くなっています。一方、1月の実質輸入は10-12月水準を4.2%上回っています。
この数字は1月の生産が下振れする可能性を示唆し、このままですと1-3月のGDP(国内総生産)で外需が大幅なマイナス寄与になることを示唆しています。