反トランプの立場をとるG.ソロス氏は19日、ブルームバーグに対して、トランプ氏が何をするのか不透明な中で、世界の市場は低迷する、との見方を示しました。政策の不透明さは、長期投資家の敵だ、と言います。
ソロス氏は一貫してトランプ氏を批判し、クリントン候補の支援を続けてきました。背後のNY金融資本と連携していて、まさか負けるとは思ってもみなかったようです。そのために巨額の選挙支援を行った上に、トランプ氏勝利を受けて、株などのリスク資産を思い切り「ショート」にしたため、「トランプラリー」のなかで10億ドルの損失を出したとも言われています。
彼はアデア・ターナー元FSA長官とともに、1月6日に官邸を訪ねていますが、当時、これは日本の財政支出に伴う「ヘリマネ」へのアドバイスをしに来た、と見られていました。しかし、後になって実はソロス氏がトランプ勝利後、日本株もショートしていて大きなロスを出していたため、官邸の「協力」を求めに来たとの情報もあります。
彼らは日銀の黒田総裁や麻生財務大臣とも会ったそうですが、その後にしばらく日銀がETFの買い入れを控えた時期があり、これがソロス氏の「ショートカバー」チャンスを与える「協力」だったのでは、との見方もあります。
金融市場ではゴールドマン系がトランプノミクスに期待をかけているようですが、ソロス氏などは、今回は大勢から浮き上がり、流れに乗れない状況で、これがトランプ批判につながっている面もありそうです。
ソロス氏は中国に期待していますが、トランプ政権の対中国強硬論をみると、こちらもうまくいくのか、厳しくなりそうです。