「銭形平次捕物控 捕物仁義(四)(五)(六)」野村胡堂 | ゆづき24時 2nd

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朗読「銭形平次」

「捕物仁義、YouTubeちゃんねるに

公開致しましたー。

 

 

「銭形平次捕物控 捕物仁義」

 

「親分、縄張内から謀叛人が出たらどうします」
八五郎は息を弾ませながら、

鼻の上の汗を平手で撫で上げました。
「何だと?――今の世の中にそんな馬鹿なことがあるものか。

もっとも、由比の正雪なら牛込榎町よ、丸橋忠弥は本郷弓町だ、

縄張違いだよ、八」
平次はまだこんな洒落を言っているのです。

 

てんとうむし

 

 

では「捕物仁義」の地理的な話

 

 

 

●神田明神

銭形平次が住んでいるのは、神田明神下御台所町。

 

●金沢町

皆川半之丞の家がある場所。

隣は長崎屋幸右衛門の家。

河岸(おそらく神田川の)が近い。

 

●本郷

●下谷

皆川半之丞の弟子たちは本郷や下谷から来るらしい。

そのうち…↓

 

●黒門町

黒門町からくるのは、小旗本某の用人。

 

●本郷三丁目

本郷三丁目から来るのは、以前旗本某に使われた小者。
 

●湯島

湯島から通う男は、旗本某の乳母だったという老女の倅。

 

 

●駒込

地図には載せていませんが、

永井和泉守の屋敷のある場所。

 

 

てんとうむし

 

 

いくつか地名は出てきましたが、

実際に事件が起こってるのは金沢町

平次の住んでる御台所町の近くです。

 

ということは、前回の「死の踊り子」のときと

だいたい同じ辺り…

 

ということで、切絵図の方は

前回の地図のアレンジ。

…アレンジといっても、実はもう一回描きなおしました。

 

本文には

 

(皆川半之丞の家の)

右隣は長崎屋幸右衛門、
左は川岸

 

左隣が川岸? いや、

切絵図で見ると川岸は隣ではないな、と思いましたが、

あ、長崎屋は「右隣」となってるけど

左に川岸、というだけで「左隣」と書いてあるわけではないな。

なるほど。

 

 

 

金沢町

現在、昌平小学校のある辺り?

前に撮った写真から探してみた。このへん?

 

 

本郷三丁目

今も、東大本郷キャンパス近くに

「本郷三丁目」駅がありますが、あのへん、

「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」でおなじみ、

江戸時代から続いてた「かねやす」ってお店のある辺りですね。

 

 

これも前に撮った写真ですが

かねやすビルは今もあるけど

1Fの店舗はもう閉店しちゃったみたい。

 

 

湯島下谷はいつも悩むんだけど

具体的な町名というよりは

このへん、という感じのようなので、

そして結構範囲が広くなってしまうので、

 

あたしの地図の方では

湯島は霊雲寺辺り

下谷は下谷神社辺りにしてあります。

 

下谷神社

今の住所は台東区下谷ではなく

台東区東上野になるみたいなんだけど…

 

もともと「下谷」

下谷広小路(今の上野広小路)、

上野や湯島の高台に対して、その谷間の下、

寛永寺の東側一帯の辺りを指していたようですよ。

 

というわけで、これも前に撮った霊雲寺

 

「迷子札を巡る旅」辺りに

このへんをまわったときのことが書いてあるみたい。

 

 

黒門町は、鈴本演芸場らへん。

写真は探したけど…なかったな。
 
 
てんとうむし
 
 
今回、地図を描くのに参考にした切絵図は
前回と同じ、
 
尾張屋版江戸切絵図 本郷湯島絵図と
 
尾張屋版江戸切絵図 東都下谷絵図。
 

 

 

てんとうむし

 

 

 

次回につづく!猫あたま

 

 

 

てんとうむし

 

 

 

(四)

【黒門町】 くろもんちょう

上野黒門町。寛永寺の正面。

寛永寺の門(黒門)が由来。

今の、鈴本演芸場らへん。

 

【本郷三丁目】 ほんごうさんちょうめ

現在も本郷三丁目駅がある辺り。

「本郷もかねやすまでは江戸のうち」という川柳の

小間物屋「かねやす」などがあった。

 

【湯島】 ゆしま

現在の文京区湯島1~2丁目、本郷三丁目あたり。

下級幕臣の住まいから、湯島天神の門前町、

その後、神田明神の辺りまでが含まれるようになったみたい。

湯島天神、湯島聖堂も湯島だと思うと結構広範囲なような。

 

【旗本】 はたもと

将軍家直参で、1万石未満、御目見(おめみえ)以上の者。

 

(五)

【六尺】 ろくしゃく

一尺は約30.303Cmなので、
六尺で約180Cm。 

 

【家主】 いえぬし
長屋の大家のこと。家守(やもり)、大家(おおや)とも言う。
地主から給金をもらって、地所や住民の管理をする。


【月番】 つきばん

一ヶ月交替で勤務する人、勤務方法。

「月番」はフツーに「つきばん」と読んでいいと思うのだけど、

江戸時代の町役人(ちょうやくにん)のひとつ、

「月行事」(月交替で自身番に詰めて町内の仕事をする人)は

「がちぎょうじ」と読むんですよねえ。

 

【番所】 ばんしょ
警備や見張りのために設置された番人が詰めるために設けられた施設。

 

(六)

【番頭】【手代】 ばんとう てだい
江戸時代の商家の役職のひとつ。
番頭は、商家で、使用人の内で最高の地位にあるもの。
10歳前後で小僧として住み込んで、→ 手代 → 番頭 となる。

 

 

 

 
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