「銭形平次捕物控 捕物仁義(一)(二)(三)」野村胡堂 | ゆづき24時 2nd

ゆづき24時 2nd

ヤプログ終了のためこちらに移転しました。過去記事順次引っ越し中。

朗読「銭形平次」

「捕物仁義、ただいま準備中です。

 

雑談 第1回目です。

 

 

「銭形平次捕物控 捕物仁義」

 

平次は朝の陽ざしを避けて、

冷たい板敷をなつかしむように、

縁側に腹ん這いになったまま、

丹精甲斐のありそうもない植木棚を眺めて、

煙草の煙を輪に吹いておりました。

 

 

てんとうむし

 

 

予告編、登場人物のご紹介です。

 

クローバー 捕物仁義 登場人物紹介 クローバー

 

クローバー 神田の平次

明神下に住む岡っ引き。

通称・銭形平次。

クローバー 八五郎

平次の一の子分。

通称・ガラッ八。

 

あじさい 皆川半之丞

近所に住む素読の師匠で浪人者。

あじさい お京

半之丞の妹。

 

ヒマワリ 長崎屋幸右衛門

半之丞の家の隣の

御金御用達兼神田両替組頭。

ヒマワリ お喜多

長崎屋の娘。

ヒマワリ 利吉

長崎屋の手代。

ヒマワリ 太兵衛

長崎屋の老番頭。

ヒマワリ 伊坂権内

長崎屋の用心棒。

 

黄色い花 鋳掛勝

下っ引。
 
実は、もう少し
後半に出てくる登場人物がいるのですが
それはまた後日、この先のblogで。
 

 

てんとうむし
 
 
「捕物仁義」です。
 
私はわりと好きなお話です。
シリーズたくさん読んで
どれがどの話だったっけ?となっても
わりと最初に読んだときの印象は
強く残っているお話ですね。
 
今回は
平次の家の近所に住む
素読の師匠
浪人者・皆川半之丞があやしい、というので
八五郎が生徒?として
半之丞宅に潜り込む、という展開。
 
皆川半之丞、
新しい弟子はとらない、と公言してるところを
そこを何とかと頼み込んで
通わせてもらえることになり
実際に八五郎に勉強を教えてくれることになったのは
半之丞の妹・お京
 
この、お京「蒙求(もうぎゅう)」を教わる八五郎、
昔、電子書籍の挿絵用に描いた絵が
わりと気に入ってたんですが、↓
 
 
これも、今の絵に描きなおして
こんな感じ。↓
 
 
素読の稽古、ってとこから
「大学」「孝経」「庭訓往来」「蒙求」
なんて難しい言葉が出てきますけれども
 
「大学」くらいは聞いたことあるけど…
「孟子」とか「論語」とかと同じく
儒教の本ですよね、多分。
 
で、八五郎がお京から教わる「蒙求」
中国の唐時代の子供用の教科書?みたいな?
こう、素読の稽古で
みんなで反唱する、みたいなイメージ。
 
検索したところ、
有名な逸話を二句で一対にし…
みたいな感じで
「蛍雪の功」とか「漱石枕流」なども
「蒙求」に出てくるらしい。
 
ああ、そしてやはり夏目の漱石先生のペンネーム
この「漱石枕流」に因むらしい。
 
というわけで
「吾輩は猫である」に一回くらい出てきてるんじゃないかと
探してみたら、
ありました。
 
第六話の中に、
 
「老梅君と君とは反対の好例として新撰蒙求に是非入れたいよ」
 
という文章が出てきてましたね。
これは、迷亭寒月君に向かって言った言葉。
 
 

 

てんとうむし

 

 

 

というわけで 

今回もしばらくお付き合いのほど、

宜しくお願い致します! 

 

次回につづく!猫あたま

 

 

 

てんとうむし

 

 

(一)

【由比正雪】 ゆいしょうせつ

1605-1651。江戸時代前期の軍学者。
丸橋忠弥、金井半兵衛らと幕府転覆をはかったが、
内通により発覚し、駿府の旅宿で自害した。

由比、由井、油井、遊井、湯井、油比などと表記されることもある。

 

【丸橋忠弥】 まるばしちゅうや
?~1651。江戸前期の浪人。
由井正雪と共謀して慶安の変を企てたが、
事前に発覚して処刑された。 


【大伴の黒主】 おおとものくろぬし

平安時代の歌人。六歌仙の一人。

歌舞伎「積恋雪関扉」に敵役として登場。

最初は関守の関兵衛として登場したのが

実は天下を狙う大伴黒主だったという展開があるので、

ここは、素読の師匠という触れ込みの皆川半之丞に

実は裏の顔があるんじゃないか、という例えですね。

 

【金沢町】 かなざわちょう

現在の外神田三丁目2~4あたり。

町名は、かつてこの辺に

加賀金沢藩前田家の屋敷があったことに由来。

 

(二)

【子曰く】 しのたまわく

「論語」の各章の始めの言葉。

「孔子がおっしゃることには」。

つまり、この場合は「論語」のことですね。


【半刻】 はんとき
約一時間。


【大学】 だいがく

儒教の書物のひとつ。

「中庸」「論語」「孟子」と合わせて四書とされる。


【孝経】 こうきょう

中国の経書のひとつ。


【庭訓往来】 ていきんおうらい

往復の手紙の形式の、

寺子屋で、使用された教科書のひとつ。

 

(三)

【蒙求】 もうぎゅう

中国の唐の頃の児童用の教科書。

日本には平安時代に伝わって、

教育に用いられたり流行したりした。

 

【亥刻】よつ

夜10時頃。
江戸時代の時刻の詳しい解説はこちら

江戸時代の時間


【本郷】 ほんごう

現在の東京都文京区にある地名。

もとは湯島に属していたそうですが

湯島の中心地を湯島本郷というようになったのが

地名の由来とか。

 

【下谷】 したや
現在は東京都台東区の町名。
浅草・本所・深川と並ぶ東京下町。
もともとは、下谷広小路(現在の上野広小路)あたりを指し、
上野、湯島の高台に対して、谷間の下、
ですからこの頃の「下谷」は
現在の台東区下谷の範囲よりは
今もある下谷神社(台東区東上野)のあたり?
寛永寺の東側一帯あたりのことを言うようですよ。
 

 

 

※「情事」ということばに

《いうごと》というルビがあったのですが

「いろごと」のことかと思いまして

朗読では「いろごと」で読んでおります。

 

 

 

 
 できました!
 ↑ スタンプのお求めはこちらからどうぞ
 
 
  過去のyoutube用イラスト、挿絵などの中から40点です。