「みなみのしまのぶんたろう」 絲山秋子 | ゆづき24時 2nd

ゆづき24時 2nd

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最初に見つけたのは、

講談社の小説現代別冊「エソラ」3号 だったでしょうか。
アンソロジー的な、
いろんな作家さんの短編小説が入っている雑誌で読みました。
 
絲山秋子さん 個人の本では、
文庫版「沖で待つ」 に収録されているらしい。

ぜんぶ ひらがなの ぱっとみたところ じどうぶんがくのような。

実は、全然児童文学ではないのだけれど。(多分)
 

てんとうむし
 

ブンガクのせかいでは ベストセラーさっか、
ヨットにのれば せかいチャンピオン、
マツリゴトのせかいでは だいじんにまでなった
しいはらぶんたろう。
あるできごとによって しっきゃくした ぶんたろうは
おきのすずめじまげんしりょくはつでんしょの
しょちょうになりました。


てんとうむし
 

「ブンガク」「ヨット」「マツリゴト」 、で
どうしても ある特定の人物 を思い浮かべずにいられないけど、
これ、友人との朗読会で、
友人に文章を見せずに音だけで聴いてもらったところ、
“アノ人” のパロディだと気付かなかったらしい!!


そうか~、
文章を見ながら読んでいると、
「しいはらぶんたろう」 という文字が
目に飛び込んでくるので、
どうしても “アノ人” が思い浮かぶけど、
音で聴いているだけだと、わからないかもな~~

なんて思っていたところ、
それとは別に、
テキスト付きでこの文章をみんなで読んでみる機会があって、
そうしたら、“アノ人” を
思い浮かべた人
思い浮かべなかった人 にわかれた!!


そうか~、
目で見る見ないに限らず、世代だったり、
趣味嗜好の違いはあるかもな~と気付く。
たしかに、これがスポーツ選手の名前だったりしたら、
スポーツに疎い私は、気付かないかも。


はじめて読んだときには、
 「これ、いろんな方面から
何か言われたりしなかったのかな」
と思ってちょっとドキドキしたけど、
ある意味、絶妙なところなのかもしれない。



「これは“アノ人”のパロディだ!」
と思いながら読んでもいいし、
「フツーのおじさんが、失脚して南の島で暮らす話」
と捉えてもいい。
楽しみ方は人それぞれ。


難しく考えようと思えば、いくらでも
「これは何を表しているんだろう?」 なんて深読みできるけど、

「お前の名前はなんていうんだ?」
「イルカはみんなイルカだよ」

「俺は人のお弁当を盗んで食べてしまったんだ」
「ぼくらはいつもなかまから餌を盗みあってるよ、
全然反省することじゃないよ」

「ところでお前たちの天国はどこにあるんだ?」
「天国ってなに?」「そんなものないよ」
「死んだらまた魚になって生まれて来るんだよ」


等々の魚たちとのやり取りに、
なんとなく、殺伐とした人間社会で忘れていた
単純なことを思い出すような気持ちになる。


あああ、 もちろん、盗みあったり殺しあったり、
高い文明なんかない原始的な世界が良いと言ってるわけではない。

文化的で平和な生活があってこそなんだけれど、
そういえば、人間だって生き物 だし 、自然の一部 なんだよなあ、
とかそういうことを。


てんとうむし


ところで、
私には例によって、このお話が
「シティボーイズライブ」のコント に見える。

いい大人が、大真面目に冗談を言っているような。
大人なんだけど こどもみたい
ぶんたろうや そうりだいじんや へびやまふくだいじん。

なんていうのかな、
かわいらしい、 かつ ほのかにせつない、みたいな?


出てきてすごいインパクトで去っていく
オオサンマ 斉木しげるさん なんか、目に浮かぶようだし、

じゃあ、ぶんたろう きたろうさん かな、
「ほかにおじさんもいないし、それでもいいな」
って言ってほしいな、

イルカいとうせいこうさん で、

ぶんたろうのおくさんの むりこさん中村ゆうじさん
あの、女役をやるときの感じで、

大竹まことさん はどうだろう、 総理大臣 かな、

ああ~、 きたろうさんのむりこさん
大竹さんのぶんたろう もいいな~~
などと夢が膨らむ。


せっかくなので、私の夢のキャスティングを。




浮き輪 「みなみのしまのぶんたろう」 絲山秋子 
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私なりのキャスティング
  読書の備忘録。
  どうせなら具体的なイメージを持って本を読もう。
  等々の主旨で始めた私的企画です。
注意こちらは私が思い浮かべたキャスティングです。
   実現はしておりませんのでご注意ください。
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しいはらぶんたろう : きたろうさん
むりこさん(ぶんたろうの奥さん) : 中村ゆうじさん

そうりだいじん : 大竹まことさん
へびやまふくだいじん : 中村ゆうじさん

イルカ : いとうせいこうさん
オオサンマ : 斉木しげるさん

さかなたち : いとうせいこうさん、中村ゆうじさん

はいゆう (しいはら隊・ぶんたろうの幼馴染み) : 大竹まことさん
えんかかしゅ (しいはら隊のボス) : 斉木しげるさん


てんとうむし


話は飛びますけれど、

先日、
「シティーボーイズライブ ファイナルpart.1 燃えるゴミ」
を観てきましたよ。

あいかわらず、シティボーイズのみなさんは
パワフルでおもしろかったけど、
気になるのはやっぱり、タイトルの 「ファイナル」

うそ!!
これで最後なの!!
やめないで!!

等々、いろんな想いがありますけれども、
大竹まことさんが、カーテンコールでおっしゃった

「じゃあ、また!!

を信じて、次回を待つことにするのです。
それにしても 「ファイナル part.1」 ってどういう意味だろう?

それはともかく、それまで、
これまでのシティボーイズライブのDVDを見ながら
待つことにするのです。


私のオススメは、

「フランスにある日本の会社」(「丈夫な足場」/1996年)
「布団祭りVS岩祭り」(「丈夫な足場」/1996年)
「五人姉妹の物語」(「愚者の代弁者、うっかり東へ」/1995年)
「会話の訓練」(「愚者の代弁者、うっかり東へ」/1995年)
「二つの風景の消失点」(「NOT FOUND」/1997年)

まだまだあるけど、このへんにしときます。



あれ?

まただいぶ話がそれちゃったな。




「じゃ!! また!!虹