銅鑼さんの公演「からまる法則」 | ゆづき24時 2nd

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劇団銅鑼 さんの公演 「からまる法則」あじさい を観てきましたよー。

 


今回は 再演 で、前回の初演のときも観ているので、
どんなお話かは知ってるわけですが。


ホームレス支援団体のお話。
といっても、主役の 真理子サン は支援団体のメンバーではなく、
企業側の弁護士。


子供の頃に別れて暮らしていた父親に呼ばれて
弁護士の真理子サンが実家に帰ってみると、
そこはホームレス支援団体の拠点になっていて……



私は、どちらかというと 商店街の人たち側の立場で見てしまうので、
ちょっと複雑な思い もあるのですが…


初演・再演ともに私の好きなシーンは、
真理子サンがピンクのトレーナーを着るところ!!
(↑ネタバレになるため 白字で表示)

この場面を観ると、
なんだかそれまでの複雑な気持ちも 洗い流されるような 気がしてしまう。
お話は知ってるんだけど、それでも、なんだか泣ける んだよねー。



ホームレス支援の問題、
社会的な弱者の辛さや葛藤、
それに救いの手を差し伸べる人たちの葛藤、

他にも、親子のすれ違い・行き違いによる葛藤なども登場する。
長い時間をかけてこじれたものって、簡単に修復するのは難しい。


実は、あのときこうすれば良かったんじゃないか、
というのは後から言えることであって、
人生でも大きな選択をしなければならないときに
最初から正しい選択肢をわかって生きている人はいないし、
本当は相手のためを思ってしたことだったとしても、
それによって相手が傷ついてしまうこともある。

う~ん、でも…、それでも…、
その年月を超えて解りあえる
(実際には完全に解りあえたわけではなかったとしても、
まだまだその一歩を踏み出したばかりだったとしても)
のが、親子なのかもしれないなあ…
というか、そうだといいなあ…と、
真理子サンと弓田さん(真理子サンのお父さん)が
黙々とキャベツを切るシーンを

(↑同じく白字で記載。カーソルで反転させて見てくださいね)
観ながら思うのでした。


あじさい 劇団銅鑼公演No.43 「からまる法則」

作 : 小関直人さん
演出 : 松本祐子さん(文学座)

キャスト
弓田英明(中学校教師) : 佐藤文雄さん
川上真理子(弓田の娘・弁護士) : 永井沙織さん
佐山智幸(弁護士・真理子の元恋人) : 館野元彦さん
三国晶子(「かけはし」代表・大学生) : 土井真波さん
相馬誠一郎(「かけはし」メンバー・元会社員) :  井上太さん
井口正弘(フリーター) : 池上礼朗さん
矢島典子(「かけはし」メンバー・中学教師) : 郡司智子さん
早乙女静子(シスター) : 竹内奈緒子さん
住田春治(「かけはし」に保護された人) : 千田隼生さん
遠藤清太郎(生活保護受給者) : 植木圭さん
石山次郎(元システムエンジニア) :  説田太郎さん
石山勇一(石山の息子・中学生) : 野内貴之さん
間宮信子(近隣住民 町内会役員) : 谷田川さほさん
大島紗枝(区役所環境課職員) : 柴田愛奈さん 



てんとうむし
 


以下は、余談ですが…



今回のお芝居を観ながら、
「今回 元恋人役の二人、前に観たお芝居では夫婦役だったなー」
とか
「この人、今回はいい人の役だけど、前は悪い役やってたなー」
とか考えていた。
私もこの業界の片隅に身を置くものとしては
そんなのは当然なのはわかってるんだけど、
なんだかあらためて、
芝居って、そういうのもコミでおもしろいんだよなー
とか思った。

先日、ある ノベルゲーム をやっていて、気付いたのだけど、
ある バットエンド では すごーく怖くて悪い人 が、
別なシナリオ では、良い人として出て来たりする。
というか、いい人であったことにホッとする。

そういうのが好きなのね。

多分、本物の人間は、ある特定の一面しか持っていないんじゃなくて、
いろんな面 を持っているはず…
あの人から見ればこんな人、
でもこの人から見るとこんな人、
で、実際のところの本人は…みたいな。

これもこの業界の片隅に身を置いている者としてどうか、
かもしれないのだけど、
ときどき、 「悪役の人がかわいそう」 になっちゃうときがある。

お話の中では悪い人 として描かれているんだけど、
この人にだって良い面はあるんだろうし、
この人にだって大切な人はいるだろうし、
この人を大切に思う人だっているだろう。
ましてや、この役をやっている役者さんが悪人なわけじゃなく…

だから、
一人の人間を多面的に深く掘り下げて描いてくれる ような、
いろんな人の立場からひとつのお話を描く ような形態のお話が好きなんだけど、

それとは逆に、 「勧善懲悪」 みたいな、単純なお話も好きだったりする。

そこでは、ひとりの人間にそんなに多面的な要素はなく、
単純に、いい人はいい人悪い人は ただただ 悪い人だったりする。
そうか、この人は悪い人なのだから仕方ないな、
って諦めがつくというかそこは割り切って見られるというか。

…つまり、私にとっての勧善懲悪、もしくは単純な人物設定のお話は、
多分 すべて “パロディ” なのだろうと思う。
それはそれで、割り切って楽しく観られる。


まあ、そんなムズカシイ話じゃなく、
単純に、 “舞台の裏側” とか “役者の素顔”
みたいなのが好きってだけの話かもしれないけれど。




というわけで、
終演後、役者さんたち が、
いい役の人も悪役の人も みんなで楽しく
おいしいお酒でも飲めていたらいいなーなんて考えるわけである。




てんとうむし


今後、「からまる法則」は、全国公演に出るのでしたっけー?

頑張ってね~~!





虹