オビエド観光記・後編【スペイン巡礼日記 #18】 | ハゲとめがねのランデヴー!!

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『深夜特急』にあこがれる妻(めがね)と、「肉食べたい」が口ぐせの夫(ハゲ)。
バックパックをかついで歩く、節約世界旅行の日常の記録。

 

アストゥリアス考古学博物館

 

久々の連泊で心身ともにリラックス、という名目でオビエドに2泊とったが、案の定リラックスどころか普段より忙しくなった。

 

今日1日で巡礼スタンプをできるだけ集め、そして博物館と美術館を見て回るのだ。

 

別にスタンプをたくさん集める必要はないのだが、いろんなデザインのハンコが巡礼手帳にたまっていくと嬉しいので、オビエドでもまず観光案内所と大聖堂に行く。

 

それにしてもさすが州都。

 

大聖堂のある中心部は歴史的な雰囲気があり、おしゃれなレストランやバルもあって人がたくさん集まっている。

ただ町を散策するだけでも1日過ごせそうだがわれわれにはそんな時間はないのであって、ああやっと着いたぞアストゥリアス考古学博物館。

 

この博物館は無料であり、スタンプも押してくれた。

 

展示は先史時代から始まり、アルタミラ洞窟のあるカンタブリア州同様アストゥリアスにも洞窟があり、そこから骨や角に装飾をほどこしたアートが発見されていると知る。

 

アストゥリアスにも大昔の美術の痕跡がある。

カミーノ《北の道》は原始美術の宝庫なのだ!

 

展示はまだまだ続き、鉄器時代、ローマ時代、中世へと続いていく。

宗教的な像にはあまり興味が持てないわれわれだが、ここに飾られている作品はどこかゆるくて仰々しさがなく、民家の居間にあっても違和感のない木彫り人形といった雰囲気であった。

 

タダでこんなに充実した展示が見られたことに感謝しつつ、借りていた英語のガイドブック(展示はスペイン語のみのため)を受付に返却に行くと、おばさんは身振りで「持ってけ」と言う。

 

え? え? 

 

と戸惑いつつこちらも身振りで「持ってっていいの?」と確認すると、おばさんは再度うなずく。

 

こうしてわたしの「世界の博物館の図録コレクション」もバックパックの重さも増えた。

しかしどんなに重くてもこの図録を手放すことはないだろう。

 

 

 

アストゥリアス美術館

 

考古学博物館を駆け足でめぐり、余韻に浸る間もなく美術館へ。

ここも無料であった。

オビエドはすばらしい観光都市といえよう。

 

さて、この美術館は見た目よりも中が広く、エル・グレコの聖人像がずらっと並ぶなど有名どころの作品もあるが、「聞いたことないけどすげーうまい」と見入るような画家の大作がこれでもか、これでもかと続く。

オビエドの大聖堂や、カミーノ中に見たような農村部の風景もあって、これまで歩いた道を思い出しながら見る。

 

そして全て見終わったと思ったら別棟への道があり、そこにもまだまだ気の抜けない展示が展開されているのである。

ここにはピカソも収蔵されているらしいが、われわれはピカソがどこにあるのかわからないまま閉館時間を迎えた。

 

ああ、オビエド観光は1日では足りないのだ……。

 

独特な言葉を持つバスクも、洞窟のカンタブリアも良かったけれど、アストゥリアスはシードルや郷土料理ファバダもおいしく雪山の景色もイケている。

そのうえ州都のミュージアムは無料なのに見応えたっぷりである。

 

オビエドでの滞在を経て、わたしはますますアストゥリアスという土地が好きになったのだった。

 

 

*アストゥリアス考古学博物館*

 

(収蔵品には他では見かけないおもしろいものが多々あった)

 

(顔の大きさが異なる2人が別の方向に真剣な眼差しを向けている。

いったいこれはどういう場面なのか)

 

(モディリアニの作品かと思った)

 

(一見子どもが描いた絵のようだが、妙に忘れられないデザイン)

 

 

*アストゥリアス美術館*

 

(クリムトのような華やかさ。わたしのお気に入り)

 

(近づくと粗いタッチなのに、光や木屑の質感がリアル)

 

(絵の一部。右手のおばあさんがいい顔している)

 

(夫は動物のデザインが好きだが、巡礼中にカテドラル(大聖堂)の装飾などでたまに見かける「吊られた羊」のモチーフも気になっているよう)

 

(……かわいいけど、いったいどのようなマーケティングを行い流通させたのだろうか)

 

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