かってにバナウェ観光案内【後編】 | ハゲとめがねのランデヴー!!

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『深夜特急』にあこがれる妻(めがね)と、「肉食べたい」が口ぐせの夫(ハゲ)。
バックパックをかついで歩く、節約世界旅行の日常の記録。

 

バナウェの住居はアートだ

 



ブルガリアのヴェリコ•タルノヴォという街は、丘と川によって生み出される高低差が立体的かつ重層的な街並みを作り出しており、中世の要塞都市の雰囲気と相まってとても美しい。

 

しかしヴェリコ•タルノヴォを美しいというのであれば、フィリピンのバナウェにも同様の評価を与えなければフェアではない。

 

バナウェも山あり谷ありの町であり、宿から町の中心まで下ったかと思えば博物館まで汗をかきながら上り、また下って上ってしているうちに、棚田が見えたり前回記したようなアートがあったりする。

 

そして道の蛇行によって何度も視界が切り替わり、何階建てなのかわからない家々が、視界にワッと現れる。

それは今にも崩れそうな感じで山にへばりついて佇んでいる。

 

その一見人が住んでいるのかわからないような建物に、色とりどりの洗濯物が干されている。

Tシャツやタオルの鮮やかな色が、雨の合間の晴天時に現れるのである。

 

わたしはここで「バナウェ•ハウジング•ツーリズム」を提案する。

 

バナウェの人々は家の壁を、ピンクや黄色や紫で塗ることを厭わない。

それはバナウェに限ったことではないが、しかし背景が山々の緑で統一されているだけに、よけいに家やトライシクルの色が浮き出て見える。

 

家の建築も様々な様式がごちゃ混ぜになっており、さながらアップリケや刺繍をアクセントにしたヴィンテージのジーンズのようなサブカル感がある。

 

そうしたバナウェの家を歩きながら眺めることは、観光の目玉になるのではないか。

古くからの伝統の棚田、そして現在の生活の場の両方を楽しめるのが、ここバナウェの魅力であるとわたしは思う。

 

 

……というわけでかってにバナウェ観光を提案してきたわけだが、しかし廃墟に見える住宅をアートと感じることに、罪悪感がちくりと走る。

かつての占領国からきたわたしが、荒廃の名残りに美しさなど感じていいのだろうか。

 

そう思いつつもバナウェは「アートな町」として強く印象付けられてしまい、町を歩きながらワクワクする気持ちを抑えられなくなった。

それは洗濯物や家々の鮮やかな色が、日々の生活を乗り越えていくエネルギーを体現しているように感じられたからだと思う。

 

 

 

(坂の上のカフェからの眺め。

手前の建物の屋根の色が無性に気に入った。

「バナウェ•ノスタルジー」と呼ぶことにする)

 

 

(いったい何階建てなのか。

反対側から見たら階数が異なるに違いない)

 

 

(龍がいる!)

 

(階段の側面はキャンバスである)

 

(洗濯物や植木鉢が縁日のようなワクワク感を醸し出す)

 

(ここ! これ、ビューポイントですよ!

川、橋、ピンク×緑の家!)

 

(上部が柱だけ残った遺跡のように見えた)

 

 

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