桜庵の箏日記 ~高齢者のサロンに招かれて~

 

  日曜日担当、箏・三絃大好き「桜庵」です。

  今日は「高齢者のサロンに招かれて」 の話です。

  3月2日に

  高齢者が定期的に集まって交流している会に

  招かれました。

  「いきいきサロン」という名称の会で、

  その日は、1年間の締めくくりの日でした。

  1時間程度「箏の演奏」を聴いた後、

  昼食会を行う、というものです。

 

  参加者は、77歳以上の会員25名程度、

  世話役の方が5名程度

  時間は、10:30~11:30の1時間、

  ご依頼があったのは、

  市に登録していた「箏(こと)体験出前講座」

  なのですが、

  体験は無理なので、

  演奏だけ聞かせていただきたい、

  とのことでした。

 

  内容はおまかせ!

 

  さて、

  「おまかせ」と言われても、、、、。

 

  そこで、

  これまでの経験をもとに、

  プログラムを試行錯誤しました。

 

  箏の生演奏を聞くのが初めてと言う方もいるし、

  昔箏を習っていたという方もいる。

  ということは、

  箏らしい王道の曲も入れるが、

  親しみやすいポピュラーも入れる方が良いかな?

 

  1時間の演奏となると、

  演奏だけを続けたのでは、聞いている側も疲れてしまう。

  ということは、

  話す時間も入れて、

  変化に富んだ内容にした方が良いかな?

  三絃の演奏も少し入れてみようかな?

 

  日頃、体操をしたり、歌を歌ったり、

  おしゃべりをして交流の時間をとっていらっしゃる様子。

  ということは、

  いっしょに歌ったり、体験を入れたりするのも、

  楽しんでもらえる方法の一つかな?

 

  そして出来上がったのが、

  このプログラムです。

 

  裏面には、模擬体験用の楽譜を

  印刷しました。

 

進め方の詳細は、

 1,最初に、

   唐突に「春の海(箏独奏・4分バージョン)」を演奏する。

   それから、改めて、あいさつや自己紹介をする。

 2,「六段の調べ」の演奏前に曲の簡単な解説をし、

   後に、八橋検校についての話を入れる。

 3,三絃の話、地唄の話をして、

   「八千代獅子」の一部(歌の部分を入れる)を演奏する。

 4,三絃で、皆さんが聞き慣れた「さくら」を演奏する

 5,プログラムの裏面の13本の線を使って、

   模擬演奏体験として「さくら」を弾く。

 6, 三橋美智也が歌ってヒットした「古城」

  を演奏する。

 7,山口百恵が歌ってヒットした「いい日旅立ち」

   を演奏する。

 8,「うれしいひなまつり」(翌日は3月3日)を

    演奏し、一緒に歌う。

 9,「母さんのうた」を演奏し、一緒に歌う

 10,「四季のうた」を演奏し、一緒に歌う

 

さて、

会場の皆さんの反応はどうだったでしょうか。

 

〇翌日の「ひなまつり」を意識して、

  少しピンクが入った若めの小紋着物を着て行きましたが、

  雰囲気が出て良かったようでした。

〇1時間、飽きる様子もなく、

  熱心に演奏を聞いたり、

  歌ったりしてくださいました。

〇ポピュラー曲を2曲用意しましたが、

  「古城」の方が、会員の皆さんの年齢に

  合っていたようで、

  歌を口づさんでいらっしゃる方もありました。

〇「いい日旅立ち」は、

  お世話をしている役員の方たちに

  喜んでいただいたようでした。

〇一緒に歌った3曲は、選曲が良かったようでした。

   皆さん、楽しそうに歌っていらっしゃいました。

 

 

追 伸 ~洗濯機へ、ひと工夫~

  もうすぐ100歳を迎える義母は、

  自分の衣類を洗濯機で洗濯します。

 

  「えっ? おばあちゃん、自分で洗濯機が回せるの?」

  と、娘(義母からすれば孫)に驚かれました。

  

   そこには、ひと工夫があるのです。

  

   我が家の洗濯は、通常、

  風呂の残り湯を使います。

 

  ですから、洗濯機の「わたし流」設定は、

  風呂の残り湯使用です。

 

  義母には、ボタン操作が分かりやすいよう、

  「1」「2」「3」の番号シールを、

  操作ボタンに貼っています。

  これで、ボタン操作は、O.K!

 

  とはいえ、

  洗濯は、ボタンを押せば良いというものでもありません。

  洗濯物を洗濯機に入れ、

  洗濯機のホースの先を隣の風呂場の浴槽に差し入れ、

  洗剤を洗濯機に入れ、

  そこで、やっと

  「1」「2」「3」のボタンです。

  さらに、洗濯が済んだ後は、

  洗濯物を干さなくてはいけません。

 

  それらを、一人でやってのけるのですから、

  大したものです。

 

  洗濯物の干場は、

  夫(鶯庵)が、

  物干し竿を、腰の曲がった義母が届く高さに下げ、

  少しくらいなら雨がかかっても良いように、

  工夫、改善しています。

 

  周りの人間の工夫が必要です。

 

  しかし、しかし、

 何と言っても、

  本人の習慣と、気力がなくては、

  どうにもなりません。

 

  もうすぐ100歳。

  頼もしいです。

  

 

では、また来週! 桜庵でした。