金銭 | QVOD TIBI HOC ALTERI

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 私は、生まれてこの方、常に金銭的には裕福とは言えなかったが、今までの所、経済的事情で苦しんだことはないし、それどころか、正直なところ、お金に不自由したこともない。というのも、「収入の範囲内でしか支出をしない。借金は絶対にしない。無い袖は振れない。」これに徹底したからである。そうすると、収入は明らかに少ないのに、日々の生活が普通に送れるだけでなく、ちょっと贅沢ができたり、旅行に行けたり、それどころか、貯蓄ができたりする。お金がないならば、使わなければいいだけなのである。

 

 また、私は金銭になるべく関わらないように生きてきた。経済的才覚はもちろん持ち合わせていないし、金銭はあまり良いものではない、そう考えてきたからである。


 「だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。」(マタイによる福音書 6:24)

 上記の聖書の引用文は、私には自明である。儲けよう、お金を稼ごうなんて、あまり意味のないことに必死になるのではなく、今に満足し、常識的に適切とされることを行い、日々穏やかに暮らしていけば、それで充分である。それに、食べ物(や住む所)がなくて死ぬ人はいるが、実際には、お金がなくて死ぬ人はいない。人が生きていくのに必要なのは、衣食住といった実物であり、貨幣のような交換手段は、本来、人の実生活とは無関係である。それどころか、相続を巡る骨肉の争いなどを伝聞すると、反って、「お金は人を不幸にする」。私はそう思う。

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Q:お金の管理についてですが、普通に管理をすることは欲とは違うのでしょうか? それは正しいことなのでしょうか? 経済状態が悪いので将来を心配している人が多いと思うのです。お金が無くなっていくので気持ち良く使えないという状況というのは、個人の生存欲にからめ取られているだけのことなのでしょうか?

A:・「日々、生きてみる」ということ

財産の管理をするということは、生きるために必要なことで、生存欲とは分けて考えてください。


それから、世界的に経済状態が悪い、国の経済状態が悪いから将来が不安だとか、余計な心配をするのはちょっと病的です。それは欲があり過ぎ。ですから、仏教的に言えば「日々、生きてみる」ということになります。
 

では、将来が悪くなったと仮定しましょう。と言っても、今から苦しむ必要はありません。全体的に国の経済がダメになってしまったらみんな同じ状態ですから、その時不安はどうでもいいことになるのです。ということで、今日の安らぎを失ってはいけません。

仏教でも財産(お金)をいくらかキープしておいてくださいと言っています。予想外のいろんなことが起こりますから、病気になったり事故に巻き込まれたり……その時のために、いくらかお金を持っておく、万が一何かあった時に使うためです。それから借金をしないためにも必要ですね。借金は仏教ではあまり認めません。借金をしたということは、お金の管理を失敗したということになりますから。

自分が生きている社会で、一人ひとりの範囲は、どれぐらいの人と付き合っているのかで、それぞれ違います。その社会の中で楽に生きてみる。それで充分でしょう。10年先に不幸になるかもしれないと、今から悩んで苦労する必要はありません。「その時は、その時」とした方がいいと思います。

正しく生きる人に、全然そんな問題は起こりません。余計な心配はしません。例えば、両親が子供たちのことをちゃんと考えて、ひとつの社会として生きていると、小さいなりに子供も家の経済状態を把握できます。ですから、モノが欲しいと言う場合でも、ちゃんと配慮して親に要求します。経済状態が悪くなればそれに合わせて協力したり、仕事を手伝ったりするのです。そうすると家族は幸せです。ということは、家庭という社会の経済状態は上下に変化しても、家族の幸福は変わらないのです。

あまりにも将来のことを考えるのは欲ということになります。「日々、安穏で楽しく生きる」ということでいいのです。例えば、贅沢に食べるといっても、健康のことを考えて暴飲暴食はしませんね。そういうように「余計なことはしない」ということで充分です。

・生き方を間違えると破産します

だいたい、破綻したというのは生き方が間違っていたのです。収入に見合わない贅沢をしたとか、余計なことにお金を出してしまったとか、あるいはあまり信頼性のない人の連帯保証人になってあげたとか。借金することは良くないことなのに、さらに他人の借金の保証人になるのはね……。そういうところで失敗するのです。それは気をつけた方がいいです。どうしても連帯保証人にならなくてはいけないのなら、銀行の審査ぐらい徹底的に調べた方がいいでしょう。(こちらより引用)