■日本において「波動」という言葉が広がるきっかけとなったのは・・・

昭和・平成・令和の3世代を生きてきた41歳のオジサンからすると、

今現在「波動」という言葉で表現されている

人間や物体、あるいは目に見えない存在が放っている微細なエネルギーを

昭和の頃は、「気(氣)」と表現していたような気がします。

今でも、占いなどでは「運気」が良い/悪いという表現をしますね。


この「気」と呼ばれていたエネルギーが

私の認識が正しければ、90年代に深野一幸さんというルポライターのような方が

「宇宙エネルギー」や「波動」と表現していましたし、

なにより当時ベストセラーとなった足立育朗氏の「波動の法則―宇宙からのメッセージ」という本の影響※で

「波動」という言葉が一般的になったのかなぁ?というのが私の見解です。

※国立国会図書館の情報によれば、初版は1995年12月だそうです。


「波動の法則」というと

同じ波動は引き合うんだ、といういわゆる“引き寄せの法則”というスピリチュアル系?の自己啓発本で

繰り返し引用されるフレーズを支える科学的な法則として登場しますが・・・

足立育朗氏の説く「波動の法則」はそういう恋愛運や金運~財運/仕事運を上げたいとかいう欲を密かに抱えて

スピリチュアルなものにしがみつく人々のためではなく、

「宇宙のあらゆる存在物(物質およびエネルギー)が振動波によって成り立っている!」という気づきから

「人間とは?」何か?―――「生きるとは?」何か?を説いている本です。


同じ「波動の法則」という表現を使っていても、それが意味する

トコロ=内容/コンテンツ~~~放っている振動波(波動/エネルギー)は全く違うことは、

明らかです。


https://www.amazon.co.jp/%E6%B3%A2%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87-%E2%80%95-%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8-%E8%B6%B3%E7%AB%8B-%E8%82%B2%E6%9C%97/dp/4931449980



そして、この90年代の波動ブームが2000年代になって、ある人物の著作である「とある本」によって

一気に社会問題へと発展します。

そのことについて言及した記事(過去のブログ)を一部、転載&再掲します。

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・「HADO」という言葉を世界に発信し、「氷の結晶写真」で世界的に有名になったEさん


氷の結晶写真「水からの伝言」は日本でベストセラーになり、

一部の学校教師が道徳の授業で取り上げたり、

「ご飯に言葉をかけて、“ありがとう/ばかやろう”で発酵/腐敗が分かれるか?」という実験

などを行い『エセ科学を教えている』として問題にもなりました。


また日本に留まらず、アメリカを始め世界的に、この氷の結晶写真はニューエイジ界などで取り上げられたりしています。



しかし、もともとはE氏は、MRAという波動機器を日本に持ち込み

その波動機器を使って測定(人体~健康食品などの物品)や磁気波動水の販売を販売していました。


Eさんの出された「波動の●●」というシリーズ本を読んでみれば、

どちらかというと理系ではなく物語り調の文系の読み物といった感じで

一応工学博士であるとはいえ、「科学性」というものをどこまで兼ね備えているかは「?」なのです。



波動という微弱なエネルギーについて科学的な研究・調査を行う団体として

「サトルエネルギー学会/subtle energy」というものがあります。

そこでは、MRAの内部の配線コードが公開され、その日本円で数百万円~千万円する機械では

なんら科学的な測定行為を行っていないことなどが暴露され、E氏もそのことを謝罪しました。



また、氷の結晶写真についても・・・

社会的に有名になりインパクトを与えもしましたが、

ちゃんとした科学筋からの反論や批判などもあり、

賛否両論・真偽が分かれているところです。


このことについてもサトルエネルギー学会の会報誌を国立国会図書館で閲覧したことがあるのですが、

「氷の結晶写真と波動(文字を見せること)」の間にどれくらい相関性があるか?

というテーマで記事がありました。



氷の結晶を取る際、ひとつのテーマについて数十枚~数百枚の写真を撮り、

その中から綺麗に撮れた写真を抽出セレクトしているというのが実態なのです。



つまり、「ありがとう」という言葉を見せて、ぐちゃぐちゃの結晶ができる場合も

「ばかやろう」という言葉を見せて、綺麗な六角形の結晶ができる場合もあるということです。



結論としては、60%くらいの相関性といった印象でした。

相関性がないわけではないけれども、はっきりとあるとも言えないといったところでしょうか。

それが「氷の結晶写真」の実像です。


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江本氏は、問題になった「水からの伝言」について

科学的な書籍としてではなく、「文学作品」のように読んで欲しい!というような発言を目にしたことがあります。

理系の研究者というよりは、文学作家という私の見解(2009年12月04日でのmixi日記)が的を得ていたなぁ~と実感しました。



■「HADO」~ドラゴンボール/ストリートファイターに出てくる「波動拳」


「波動」というと一般的には

①中学~高校の物理で習う「波動・振動」

②アニメやゲームに出てくる「波動拳」の“波動”=気のボール(塊)

のどちらかで

で一部のスピリチュアル系や代替医療の人々が使うのが

③Wikipediaで波動(オカルト)というページに掲載されている内容/意味の「波動」(生命エネルギー)

です。


②については、

個人的にはドラゴンボールの孫悟空が出す“かめはめ波”が印象的です。


googleで「波動拳」で検索すると、ゲーム「ストリートファイター」の
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リュウとケンの必殺技。 両手から気の弾を放つ。
--------------
だそうです。


ゲームは、あまりやったことのない人間なのですが、

小学校時代に勉強よりもゲームが好きだった弟がいるので

何回か数えるくらいですが、私もスーパーファミコン?でやったことがあります。


時代は移り変わり・・・

令和の現代では、googleで「HADO」と検索すると

「AR(拡張現実)の技術を使って、VRゴーグルをしながら複数人で楽しむスポーツ(ゲーム)」

を普及させようとする企業や団体のホームページがトップに来るようになりました。


日本初のベンチャービジネスのようなので

21世紀に「HADO」というと

第一に(いわゆる日本でいう)「波動拳」の『波動』・・・

というのが英語圏でも一般的になるでしょう。

KaraokeやSake、Umamiなどのように日本語がそのまま英語≒世界共通語になるパターンかな?と思います。


■時代を先取りする・・・先進的な発想の人=ユーミン

ちなみに、英語圏でスピリチュアル系の人々が「波動を感じる」とか「あの人は波動が高い」とかいう時は

「Vibration」という表現を使います。


Wikipediaでも
波動(一般)―――波動(はどう、英: wave)
波動(オカルト)―――波動(はどう、英: Vibration)

と分けて表記されるところから始まっています。


個人的に好きなユーミンの曲でも
アルバム「スユアの波」(1997年)の「パーティーへ行こう」という苗場プリンスホテルのCMソングにもなった曲で
「Good Vibration!」という歌詞があります。

“スユアの波”というアルバム名自体が、西暦よりも正確で高度な暦を使っていた「古代マヤ民族」に伝わる

「時間の波動」という概念(Wave of "ZUVUYA")が元になっています。

当時、ユーミンの熱心な信者?でラジオを聴いていた中学生の時に得た情報なので確かだと思います。


ユーミンは、

アルバム「LOVE WARS」(1989年)の「Valentine’s RADIO」という曲は

『見えない気持ちが見えない空を飛び
 あなたに届くの On the RADIO♪』

という歌詞から始まりますが・・・


80年代の当時から

「人間の思考は、電波のように波動としてエネルギーを放っているんじゃないかなぁ~」

という発言を雑誌やラジオなどのインタビュー等で語っていたようで


僕が、今「波動テクノロジー研究所」の所長としてさまざまな発振をしているのも、

船井幸雄さんや足立育朗さんの本を読む前に・・・

まず第一にユーミン(荒井由実~松任谷由実)の影響を受けているのかなぁ~

と思い返すことができました。


■ラッパーの方などが口にする「バイブス」という表現も元々は「波動」?!

Googleで「バイブス」で検索すると以下の情報が出てきました。

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Vibes(バイブス)という単語はもともと、Vibration(バイブレーション)の略語。 Vibrationとは、振動、ふるえること、音を細かくふるわせる、という意味で用いられますが、バイブスとして使う時は、気持ちがぞくぞくする、ワクワクする、といった、感情の揺れ動きを表します
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「バイブス」とは、「雰囲気」や「ノリ」「テンション」といったその場にいる人々の気分や調子のことを表す言葉で一般的にはギャル用語として定着したカタカナ英語のことを意味する表現。 例えば「バイブスが高い」や「バイブスを上げる」などの表現がある。2013年のギャル流行語大賞に選出された。
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前述した足立育朗氏の妹である足立幸子氏はアーティストとして47歳の生涯を全うされましたが、

幸子さん(高校の頃から敬愛の念を込めてこう呼んでいます・・・)は、

著書や(後に講演会のVHSテープをとある施設で発見し、その音声データをカセットテープに録音して何度も聴きましたが…今は市販されている)DVDなどで

“ヴァイブレーション”を細かくするとか、“ヴァイブレーション”を上げるとか、いった表現をされていたのが印象的した。

日本的な
「気」がどうのこうの・・・とか
「波動」がどうのこうの・・・とか
いう表現を使わず、
英語圏のスピリチュアル系=ニューエイジ系の人々の間で使われているように
“ヴァイブレーション”という表現を輸入して使われているところが、
やはりセンスがイイなぁ、と思います。


ちなみに、高校3年生の時に通っていた塾の英語講師だったスペイン系アメリカ人に
「Vibration」いう表現を使ったところ、

「Vibration??? --- なんかイヤらしい感じがするよ。Vibrationっていうと・・・(笑)」

と言われました。


スピリチュアル系の知識や世界観=バックグラウンドのない英語圏の人には、伝わらないようです。

要注意ですね!



昭和の日本語でも

気が合う仲間のことを「波長が合う」という表現がありましたが、

平成~令和では

「バイブス」として・・・このような概念=コンセプトが

受け継がれていっているのかなぁ?と思います。

https://www.weblio.jp/content/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%96%E3%82%B9#google_vignette



■過去の記事
「波動とは何か?」(December 30, 2013)
http://blog.livedoor.jp/hado_technology/archives/51815356.html

 

 

【追記】2024.08.23

ブログの過去記事
「AIが人間に対して抱く想い~松任谷由実『MISS BROADCAST』」
https://ameblo.jp/hado-technology/entry-12863329041.html

にて

ユーミンこと松任谷由実さんの『MISS BROADCAST』という曲を紹介しましたが…

この曲には、

「世界はいま、“点滅してる”・・・Wow wow wow」

というフレーズ(歌詞)が何度か登場しますが、


この“点滅している”という表現は、

電圧でいう直流/交流の「交流」であり・・・

それは、正式?!=物理学的な「波動」であることを

否定する人は、高校の「物理」を明らかに勉強してない

「無知」を自らアピールしている人だと断言できます。



宮沢賢治の残した詩の一節にこんな表現があります。


わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)


「春と修羅」――序より


「因果交流電燈」の「因果」という表現は、

宮沢賢治が熱狂な日蓮宗/仏教の敬虔な信徒だったという背景/バックグラウンドを知っていると

いかにも賢治らしい言葉選び?コトバ遊び?オリジナル/オンリーワンの言語表現?!だなぁ~という

思いに耽ります。