宇宙人は存在するのか、それとも存在しないのか?
UFOは存在するのか、それとも存在しないのか?
このくらい簡単には判断できない議論になるだろう。
遺伝子組み換え技術の安全性に関してだ。
宇宙人、UFOに関してはどちらも存在すると私自身は願っている。
しかし遺伝子組み換え技術に関しては今もなお判断できない。
7月26日(土)に遺伝子組み換え技術の研究農場の視察に行ってきた。
JONA の主催した「U-39次代の農を考える会」によるもので、
午前中は千葉県山武市にある「(農)さんぶ野菜ネットワーク 」の視察、
そして午後に遺伝子組み換え技術の研究農場の視察をした。
「(株)日本モンサント 」の所有する研究農場は茨城県河内町にある。
遺伝子組み換え技術、
「危険」という認識が一般的にはなされている。
しかしどうだろうか?その根拠を述べられますか?
メディアで「危険」と言ってるからなだけではないですか?
その理由をはっきりと述べられる人はわずかしかいないだろう。
もちろんその理由だって本当かどうかはわからない。
もちろん私自身も「危険」という固定観念のもと、
興味本位で見てみたいという理由だけで参加した。
なぜ危険なのかなんて全くわからない。
遺伝組み換え技術がそもそもどういうものなのかもわからない。
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「モンサント」という企業名はご存知だろうか?
モンサント・カンパニーはアメリカに本社を持つ多国籍化学メーカーである。
ラウンドアップという除草剤を聞いたことのある方も多いはずだ。
遺伝子組み換え技術作物の研究に力を入れており、
ラウンド・アップとセットでの開発、販売を目的としているとよく聞くだろう。
しかし実際のところラウンドアップの販売はしていないという。
日本の企業に販売ライセンスを与えているだけで、
販売には直接、関与していない。
モンサントは遺伝子組み換え技術の研究だけでなく、
伝統的育種法での新しい種子の研究・開発もしている。
こちらの場合も販売ライセンスを種子会社に与えて直接販売には関与していない。
最初の開発段階のみにモンサント社は関与している。
伝統的育種法と遺伝子組み換え法での品種改良はどう違うのか?
伝統的育種法は、
品種Aと品種Bの植物同士を掛け合わせて新品種Cを作るものである。
遺伝子組み換え技術は、
ある遺伝子源から目的とする遺伝子だけを抜き取って、
品種DのDNA内に組み込み新品種Eを作るものである。
その遺伝子源は植物だけでなく動物でも何でもよい。
私たちがなんらかの危険性を感じているのはここにあるのであろう。
しかし遺伝子だけが越えるだけなのだ。細胞全体が越えるわけではない。
だから遺伝子源が動物なのか植物なのかは関係ないとのことだ。
遺伝子組み換え作物を栽培している国はどのくらいあるのだろうか?
まず作物としては、大豆、トウモロコシ、綿、菜種の順で多い。
栽培面積(5万ha以上)は、
アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、インド、中国、パラグアイ、
南アフリカ、ウルグアイ、フィリピン、オーストラリア=スペイン=メキシコの順だ。
農産物がある程度保護されているヨーロッパの国々でも、
スペインの他にもポルトガルやフランス、ドイツ、チェコなどの国で栽培されている。
そのほとんどがトウモロコシ(家畜用?バイオディーゼル用?)である。
日本と関わりの深いアメリカや中国ではどのような作物が栽培されているのか?
アメリカは大豆、トウモロコシ、綿、菜種、スクワッシュ、パパイヤ、アルファルファ、
中国は綿、トマト、ポプラ、ペチュニア、パパイヤ、甘唐辛子の栽培がされている。
これはモンサント社の研究・開発によるものだけでない。
現在商品化されている主な遺伝子組み換え作物の種類は、
①除草剤の影響を受けないもの(除草剤耐性)
作物:大豆、菜種、綿、トウモロコシ、テンサイ、アルファルファ
(モンサントの商品名:ラウンドアップ・レディー)
②害虫抵抗性
作物:トウモロコシ、綿
③除草剤耐性+害虫抵抗性
④組成を変えているもの
である。
「ラウンドアップ」とはどういうものか?
世界130ヶ国以上で20年以上にわたってさまざまな場面で利用されている除草剤である。
どんな植物でも枯らしてしまうため、通常畑には使えないものである。
土壌中で水や炭酸ガスに分解するため環境への安全性も高い。
ラウンドアップ・レディーの大豆の収量(河内研究農場・2004年)は、
土壌処理区、中耕培土区と比べて、ラウンドアップ散布区のものは高い収量を得ている。
ラウンドアップとの合わせ技でしか用いることはできないが、
こまめに除草剤をかけるよりは労力、コスト面で考えても利点は大きい。
それでは害虫抵抗性作物の利点はどうだろうか?
農薬散布労力、コストを削減できるため環境にもやさしい。
害虫の被害を受けないため安定した収量を確保できる。
このように遺伝子組み換え技術は世界各国で利用されているもので、
生産者の労力、コスト面で大いに役立っているものである。
また、限られた農地、水などの資源を用いて、
どうやって人口増加に対応できるのかという課題がある中で、
安定し、なおかつ高い収量を得られることはこれからの時代に合ったものなのかもしれない。
さて日本人が一番気にしている食品としての「安全性」はどうなのだろうか?
また日本国内に遺伝子組み換えの研究農場があったことに驚いた人もいると思うが、
隔離圃場とされている研究農場の周辺環境(生物多様性)への「安全性」はどうなのだろうか?
この2つの「安全性」についてはまた次回書くことにする。