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一種なんぼ 3



今回は、マンション想定の一種当たり坪単価から土地価格を求める方法を紹介します。


土地価格
=坪単価*土地面積

=一種当たり坪単価*基準容積率*土地面積

一種当たり坪単価
=販売坪単価*レンタブル比*(1-開発諸経費率)-建築工事費坪単価


これに前回の設例条件を当てはめると、

一種当たり坪単価
=坪2,000千円*90%*70%-坪800千円

=坪460千円

これに基準容積率を掛けてやれば土地の坪単価が、更に土地面積を掛けてやれば土地価格が求められます。

ディベロッパーの分譲マンション事業計画や分譲マンションの広告を見ていると、

レンタブル比は90%~95%程度、

開発諸経費率は25%~30%程度、


建築工事費単価は鋼材等の価格高騰前で坪550~650千円程度


といったところが目安でしょう。


次回からは賃貸物件の想定すなわち、土地残余法からのアプローチをやります。

一種なんぼ 2



まずは、分譲マンション想定の開発法からいきましょう。


<基本式>

土地価格=販売総額-開発諸経費(開発業者利益含む)ー建築工事費


設例

土地面積:500坪

基準容積率:500%

容積対象延べ床面積に対する販売対象床面積比率(レンタブル比):90%

販売坪単価:坪2,000千円

建築工事費坪単価(容積対象床面積当たり):坪800千円

販売総額に対する開発諸経費比率:30%


以上の設例を基本式に当てはめると、

販売総額
=坪2,000千円*500坪*500%*90%
=4,500,000千円

開発諸経費
=4,500,000千円*30%
=1,350,000千円

建築工事費
=坪800千円*500坪*500%
=2,000,000千円

土地価格
=4,500,000千円-1,350,000千円-2,000,000千円
=1,150,000千円

土地坪単価
=1,150,000千円/500坪
=坪2,300千円

一種当たり坪単価
=坪2,300千円/500%
=坪460千円


以上が開発法の簡便的な適用例です。


これを電卓一算で、一種当たり坪単価から土地価格を求める方法を次回紹介します。


一種坪なんぼ



鑑定評価において、

更地の鑑定評価額は、
取引事例比較法による比準価格、
土地残余法による収益価格
を関連付け、
大規模画地については、
開発法による価格を比較考量して決定します。


これから数回に渡って、土地残余法及び分譲マンション想定の開発法を簡易化した方法で、

「一種当たりの坪単価」

による更地価格の価格水準の把握法について書いていきたいと思います。


精緻な査定の前段階として、掴みはOK的な価格水準の把握法としては便利だと思います。


この把握法を理解すると

一種坪なんぼ

という相場が形成されるのがよくわかると思います。