
和泉さんの新刊、イラストは蓮川愛。
吸血鬼もので 神父攻め × 吸血鬼受け なんだけど
前回ルチルで佐々さんのイラストであるにも係わらず外してしまったもので
その分期待をかけすぎたのか、読んだ後、思い切り肩透かしをくった気分。
他の作家ならこれでもいいのかも知れないが、和泉さんだとやっぱり多くを求めてしまうのかなあ。
設定はいいんだけど、いまいち説明不足。
まるで一幕の会話劇を見たような気分。
しかもその会話はちょっといじくりすぎて理屈っぽい、それなのに状況などは不明部分が多い。
思わせぶりに現れた銀髪の吸血鬼や、寂しがりやな悪魔など、
ものすごくくいいキャラなのに、それも動きが悪く感じる。
そして、吸血鬼と悪魔の扱いがちょっとゴチャゴチャ。
2段組ということは、かなりの文字数書いているんだろうけど、それでもページ数が足りない。
そもそも1冊にするのに無理があるのかなあ。
自分が吸血鬼であることを知らなかった受けという設定には大いに萌えるだけに惜しい。
神父のほうにも色々出生の秘密が出てくるんだけど、サラッと流しすぎてすぐには腑に落ちなかった。
ファンタジーはその世界観をまず読者に納得させるのが大変なんだけど、
そこのところでちょびっと躓いてしまったような感は否めない。
続編でも出て、補足してくれればまた違う感想が持てると思う。
というか、設定やキャラクターがとてもいいだけに、ぜひ続編を書いて欲しいと思う。