デッドリフトのすすめ | 極真会館八王子みなみ野道場のブログ

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コロナウイルス関連で世知辛い話ばかりが飛び交いますが、先日非常に明るいニュースがありました!

人気テレビドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』でマウンテン役を演じたアイスランド人のハフソー・ビョルソンさんが、デッドリフト世界記録501kgを達成したのです!

 

まずはその様子を見てみましょう。

 

 

凄まじいですね。

空手の世界大会でも海外の選手がこうして気合いを入れてから試合に臨む場面はよくあります。

心と身体の全てを目覚めさせ、集中力を高めて、一気にフルパワーを出す。

見ているこちらも「ウオオォッ!!」と叫びたくなるような大挙上です。

 

 

そもそもこのデッドリフトというのは一体何なのかというと、筋トレの一種です。

フォームによって効き方は違いますが、主に背筋力と下肢の力が身に付きます。

ウエイトトレーニングの基礎とされる三種目が、上半身前面に効くベンチプレス、下半身に効くスクワット、そしてもう一つがこのデッドリフトになります。

三種目とも人体の中で非常に大きな骨格筋を使いますので、一般的にはこの三種目(BIG3)を鍛えながらその他の筋肉を補助として鍛えていくというのが常道です。

 

ただ、自重トレーニングでの腕(拳)立て伏せやスクワットなどの延長線上にウエイトを使ったベンチプレスやスクワットがあるのはわかりますが、おそらく日常の補強でデッドリフトに近い動作をやることはまずないかと思います。

しかし、このデッドリフトは空手においてもその他の一般的なスポーツにおいても実は非常に大事な種目です。

 

なんで大事かというと…

他人様の記事を勝手に拝借しますのでご覧になってください。

『デッドリフトとジャンプ力アップについて』 Fitnessfield パーソナルトレーナー野上鉄夫さん

 

こちらの記事にもあるようにデッドリフトは全身のジャンプ力・瞬発力をアップさせるための土台として必須のトレーニングなのです。

パワークリーンと呼ばれる、いわゆる重量挙げのような、瞬間的にパワーを引き出すトレーニングを行う上での基礎となります。

また、クリーン系の種目を行わなくても、背筋力を鍛え体幹を強くすること自体が非常に有意義です。

 

以前、パワーリフティング(ベンチプレス、スクワット、デッドリフトの合計重量を競う競技)世界王者の三土手大介コーチが、「BIG3で空手に一番直結するとしたらデッドリフトかな」とおっしゃっていましたが、それくらい体幹の基礎として大事です。

逆に、力自慢の象徴のようなベンチプレスは、格闘技の能力要素としてはあくまで補助的な位置づけであり、イコール打撃力でないのはよく言われます。

 

100m走日本代表の桐生祥秀選手もクリーン系の種目をメインに筋力トレーニングを行っています。

桐生選手の場合、当然「速く」「強く」「連動して動く」ことが大事なのでデッドリフトの重量を重要視しているとは思いませんが、デッドリフトの土台がなければパワークリーンはできません。

 

 

そんなわけで非常に大事なデッドリフトなのですが、日本では「ウエイトを用いたトレーニングは高校生になるまで一切やらせるべきでない」という考えが根強いので、なかなか中学生で取り組むことはありません。

いびつなのが、これが高校生になると途端に部活動でウエイトトレーニングをやりだすところが多く、基礎ができていない状態で高校スポーツ2年半の中で目先の重量を追いかけることになり、ウエイトトレーニングが怪我の原因となってしまったり、練習やパフォーマンスのバランスを崩してしまうことになるケースも少なくありません。

最近はきちんと指導できる人も増えましたが、むちゃくちゃなフォームで生徒に高重量のデッドリフトをやらせて「こんなに強いんだぞ!」とばかりにYouTubeに動画を上げているような運動部もまだあります。

基礎的な知識がない状態でウエイトトレーニングを行うのは、場合によっては一生に関わる怪我を負う可能性もあり、とても危険です。

特に取り組み始めの種目を行う際は、きちんとした知識を持った人にしつこいくらいフォームチェックをしてもらった方が良いです。

 

空手に関して言えば、「フォームが安定した結果、自然に重量が伸びる」という程度の無理のないウエイトトレーニングを中学時代に行って、重いものを安定して扱える基礎力を身につけた方が良いかと思います。

そして、それとはまた別に、メインの筋トレは自重で行います。爆発的な瞬発力を出したい場合は、低回数でもいいのでスクワットも腕立ても跳ぶ!(できるなら)ことが大事になってきます。

 

 

最後は、デッドリフトをスタート地点とし、重りを頭上に引き上げるジャークという種目を見てみましょう!

2019年12月のウエイトリフティングワールドカップで優勝したタンク村上こと村上英士朗さんの試技です。日本新記録231kg!

 

 

 

こちらも人間業ではありませんね。

 

 

皆さんもぜひ家でデッドリフトをやってみましょう!