こんにちは
今日は昨日の続き、蚊の遺伝子組み換えによる駆除実験の失敗について
ブラジルのジャコビナはここ数年、遺伝子を組み替えたGM蚊による駆除実験が大規模に行われてきた都市です。
その結果をアメリカ・イェール大学の研究チームが調査したところ、実験開始から数か月で個体数が戻り、また一部の野生の個体がGM蚊の遺伝子を獲得していたことまで判明しました
イェール大学のジェフリー・パウエル氏は「計画ではGM蚊の子供は死んでしまうので、放出されたGM蚊株が野生の個体に入り込むことはないはずだったが、そうなっていないことは明らか」と説明します。
GM蚊株はオキシテック社によって開発され、アメリカ食品医薬局から実験許可が与えらえていました。
ジャコビナでは27か月にわたり毎週45万匹、計数千万匹のGM蚊のお酢が放たれていました。
研究チームは解放前ならびに解放後、、6・12・27・30か月経過した時点でGM蚊と野生種のゲノムを調査。
その結果、GM蚊の遺伝子が野生種に混ざっていることを示すはっきりとした証拠を見つけ出しました
GM蚊から生まれる子供は3~4%程度しかないが、それらは想定されていたほど弱くもなく、中には成虫になり繁殖した固体もいました。
また実験結果後、一時的には蚊の個体数は減少していましたが、それも18か月後には元に戻ってしまっていました。
研究チームはその理由について、メスのGM蚊との交尾を避ける方法を学んだのかもしれないと推測しています。
さらに悪い事に、蚊を減少させるはずの実験が逆効果になってしまった可能性すらあります。
ジャコビナの蚊には今や元々そこにいた蚊の遺伝子に加えて、GM蚊を作るために使われたキューバとメキシコの蚊の遺伝子が混ざっています。
つまりそれだけ幅広い遺伝子プールが出来上がったわけで、全体として蚊はこれまでよりいっそう頑丈になったかもしれないのです
研究チームは、これによって健康被害のリスクが高まったわけではないことを保証しています。
しかし病気の伝染や、その他の駆除法に与える影響は明確ではなく、全く影響がないわけでもないそうです
パウエル氏は「実験室内で実験なら、放たれたGM蚊の影響をかなり正確に予測できるだろう。しかし今回のような実験の場合、実験中の事後に予想外の出来事が起きていないか遺伝的な調査を行う必要がある」と説明しています。
うーん・・・これはどうなるのでしょうか
要経過観察ですね