第89回 リボルバーのグリップの真相 | イナギFIVE-0 エアガンライフ

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 これまでGun誌など色々な雑誌を読んできたけど、以下のことは読んだ記憶がない。でももしかしたら衆知の事実なのかもしれない。そうだとしたら大恥だけど、自分の記録のために残しておくことにする。


 M29のオーバーサイズグリップやパイソンの純正木製グリップがそうだが、大き過ぎたり形が変だったりと、リボルバーのグリップは総じて握りにくい。これはなぜなのか? アメリカ人は握り易さとかは考えないのだろうか?


 11歳でMGCの44マグナムを手にして以来、私のガン人生の当初からこの点が疑問だった。前回ブログに書いてみて改めて考えさせられた。


 タナカのM29を色々と握ってみながらアレコレ考えた。そしてこんな結論となった。一応、ちゃんとした説明がついた。


 M29の大型グリップを例とするが、これを自分の握り方で握ると握りにくい。

下の方を持つ感じで、親指も収まらない。

 ではグリップの親指のくぼみに合わせて握ってみる。とギリギリ上の方を握ることになる。違和感はあるが、収まりはまあマシになる。

親指を収める持ち方をすると、かなり上を持つことになる。

 この持ち方で普通にターゲットを狙ってみると、銃口はかなり上を向いている。そこからターゲットに狙いを合わせるためには、手首をグッと下げることになる。リボルバーのグリップは、このように手首をグッと下げさせるためのデザインなのだと思う。


 実銃では反動がある。手首をできるだけ下げた状態で撃てば、まず反動を上から押さえつける効果がある。さらに、手首の動きシロが大きくなり、手首の動きだけで反動を吸収できる。



手首はここまで上に上げることができる。その分反動のエネルギーを吸収できる。

 逆に普通の状態で撃てば、手首の動きシロが少なく、その分手首だけでは吸収しきれず、腕が跳ね上がってしまう。


手首はここまでしか上げることができない。手首だけでは反動が吸収しきれず、腕が上がってしまう。

 となると、次弾を撃つ際に構え直すなど動作が大きくなってしまう。


 反動を上から押さえつけ、かつ手首の動きだけで吸収させるため、あらかじめ手首が下を向くようなグリップアングル、上部を持たせるようなグリップ形状になっているのではないか、ということなのだ。特に357マグナムや44マグナムなど反動が大きな銃ほどこの傾向を強める必要がある。


 ちょっと違うが、グロックの例がある。1911などに慣れた射手がグロックを撃とうとすると、銃口はかなり上を向くことに気づくだろう。だから狙いにくく感じる。しかしこれは、いわゆるガク引き防止のために、最初から手首を下げた状態にするためなのだ。このように、グリップのアングルや形状で射撃をアシストする設計が用いられることがある。


 大型リボルバーも、「こういう持ち方をして下さい、反動が収まりやすくなって撃ちやすくなりますよ、そのためにこういうグリップを装着していますからグリップに合わせた握り方をしてください」ということなのではないかと思う。


 パイソンのグリップも普通に握るとそうとうヘンだが、親指を合わせると銃をグッと抑え込むようになり、反動を受けた際の手首の角度もより上まで上がる。

普通に持つとこんな感じ。
これ以上は手首は上がらない。
親指を合わせる握り方をする。違和感はあるが、収まりはいい。
反動を受けた場合、手首はここまで上がるため、手首の動きだけで反動のかなりを吸収できる。


 実銃の射撃映像を見ていると、上手い人は腕をグッと前に突き出し、その腕はほとんど動かず、手首が上を向く動きだけで反動を吸収し、パンパンパンと連射している。


 オートでは反動の支点を上げるためグリップのできるだけ上の方を握るのがいいというのはよく言われることだが、リボルバーでも反動に対応するための握り方があり、それに適したグリップデザインがされているのだと思う。


 反動のないエアガンでは必要ないし、だから気付かないことだが、物事の本質、なぜ? を考えると色々と見えてくることがある。


 ところで、エアガンには反動はないからグリップに合わせる必要はないのだが、その方が収まりはいい。しかし、長年の握り方を変えるため違和感はある。さて、どうしようか? リボルバーについてはまた1からのスタートだな。この歳で新しいチャレンジがあるというのも新鮮で楽しい!