蓮見圭一著「水曜の朝、午前三時」 | ハーちゃんの「ゆらゆら日記」

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都内「川の手」の暮らし、趣味(編み物・読書・ガーデニング・韓国語)などについて書いています。ほとんど毎日ブログ更新してまーす。

 

この本を知ったのは、フォローさせていただいている「ぬこさん」のブログでした。

 

裏表紙に紹介されている内容は

 

45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳のナオミと、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あの時、あの人との人生を選んでいたら......」。失われたものはあまりにも大きい。愛の切なさと歓びが心にしみるラブストーリー。

 

脳腫瘍で築地のがんセンターで亡くなった直美は、ニューヨークに留学中の娘の葉子に4巻のテープを残しました。

 

毎年、クリスマスの数日後に京都に出かけていた直美。冬の京都が好きだから、ということになっていました。

 

しかし、十歳になった娘の葉子はそれを疑い始めるんですね。

 

直美はこのテープの中で

 

「私はこれから、あなたに何度も不安な年の瀬を過ごさせてきた本当の理由を記そうと思います」と話を始めます。

 

大阪万博でホステスになった自分と臼井との出会い。彼の出自が原因となった彼との別れ。
 
そして臼井の妹の死をきっかけに、毎年彼女の命日に京都で会うようになった直美と臼井の話を。
 
誰でも「もし違う選択をしていたら?」と想像することがありますよね。学校、職業、結婚相手、などなど。想像してもどうしようもないけれど。
 
この主人公の直美は私と同世代でもあり、大阪万博の異常な盛り上がりなども詳しく描写されていて興味が尽きませんでした。
 
当時、私は京都に住んでいましたが、私自身は万博には一度も行っていません。
 
家に泊まりに来る人たちの話を聞けば十分、と思ったので。
 
その時の我が家はまるで民宿でしたね(^^)。もっともお客さんが多かった日は、家族3人を含む12人が広くもない家に寝ていましたから。
 
私と母は、1日に数回も買い出しに! 何しろ万博会場では混みすぎていて食事もとれない状況だったから、お昼のお弁当まで持たせたので!
 
娘は「太陽の塔」の大ファンで、わざわざ見に行ったこともあります。昭和の初期から中頃に興味があるようです。
 
蓮見さんの本は初めて読んだかも知れません。グイグイ引き込まれました。面白かったです!