経験則から学ぶ事は迚多い。
私の専門は言わずもがな
心理学である。
併し大学で学んだ以上に
実践で経験的に得た知識の方が
遥かに有益であるし自らの役に立ってくれている。
学術的に学ぶ知識を
否定するつもりは毛頭ない。
併し学術的に学ぶ知識に
頼る事は迚危険である。
私が仮に手術をお願いするとするならば、東大医学部主席卒のインターンより、既にメスを置いた老練の元医師の方を選ぶ。
其ほど私は知識より経験に
重きをおいている。
その私が私自身の経験則から学んだ事の一つに人に意見を頻繁に求める人の多くはその意見を聞いていない。
自分と同じ意見を持つ人の
意見を探しているだけ。
初めから人の意見を聞くつもりなど欠片すら持ち合わせない。
人の意見を聞ける人は
己の意見を持ち其を言える人。
そういう人は己の意見と人の意見の違いを認め照合する術を持っている。
己の意見を持たぬ人は己の狭い考えに固執して其を崩そうとはしない。
故に何を言っても無駄である、なのでそういう人から意見を求められても私は何も語らず黙して立ち去るのみとしている。