TVアニメ「ブレイクブレイド」の赤暗色の分岐点 | はばら研ブログ

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アニメーター・アニメ監督の羽原信義さんのファンブログです。

TVアニメ「ブレイクブレイド」第9話「ショウ・ダウン(竜虎宣戦)」で、
ライガットは故郷の村人たちの変わり果てた姿を目撃する。弟の安否を確認
するために駆けつけた彼を待ち受けていたのは、あまりにも冷酷な運命だった。
赤黒い、刺すような光を放つ太陽の下で、ライガットはボルキュス将軍と戦う
ことになる。

攻撃と防御とを、変幻自在に切り替えるボルキュスの戦法が、デルフィング
を圧倒する。地に倒れてもなお、その言葉は遥か高みから、ライガットの胸を
刺す。何度か刃を合わせたのち、ボルキュスはあっさりと勝負を終わらせて
しまう。汗ひとつ流さないあいだに。この戦い自体が、彼にとっては「黒銀
のゴゥレム」と、その搭乗士の力量を試すためのものでしかなかったのだ。
ずっと命ギリギリのところで応戦していたライガットとは何もかもちがっていた。

原作コミックでも、ライガットは故郷の村で、ボルキュス将軍と戦っている。
ボルキュスの言葉も、ライガットの心のゆらぎも、おおきくは変わっていない。
ただし、ライガットが駆けつけたのは、村にアテネス軍が侵攻して間もない
ところだった。村人たちの命の多くも、無事だった。多くの命を人質にした
戦いと、制圧の終わった村での戦いというちがいがあった。どちらも非情な
ものであるという部分では変わりはないものの、その意味合い、鋭さは異
なっていた。

また、原作コミックでのライガットは、アニメ版では見つけることが出来な
かった弟のレガッツとも再会できている。弟のピンチを、兄が間一髪で救う
というかたちでの再会だった。戦いのあとに、兄弟は素直じゃない、けれど、
親密な言葉を、お互い交わすことも出来ている。ライガットは助けた村人から
あたたかな言葉をかけられてもいた。彼がジルグと戦い合ったのは、そういう
時間を経たあとのことだった。

そのとき間に合っていたか、いなかったか。原作とアニメのたった一つの、
そしてあまりにおおきな分岐点から、異なる運命が動き始めていた。

TVアニメ「ブレイクブレイド」公式サイト

■メインスタッフ■

総監督 アミノテツロ
監督 羽原信義
脚本 十川誠志
新作パート脚本 谷村大四郎
キャラクターデザイン・総作画監督 乘田拓茂
メカニックディレクター・総作画監督 松村拓哉
メカニックデザイン 柳瀬敬之
プロップデザイン やまだたかひろ、枝松聖
美術監督 小濱俊裕(美峰)
色彩設計 関本美津子
撮影監督 船倉一晃
音響監督 鶴岡洋太

製作 「ブレイク ブレイド」製作委員会
アニメーション制作 Production I.G、XEBEC

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