TVアニメ「ブレイクブレイド」の、壊れた刃を射抜いた瞳 | はばら研ブログ

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アニメーター・アニメ監督の羽原信義さんのファンブログです。

「さしずめ、『ブレイクブレイド』といったところか。」

TVアニメ「ブレイクブレイド」第八話で、ボルキュス将軍は、戦場に現れ
たデルフィングのことを、そう評価した。かつて、整備中のデルフィングを
みたナルヴィが、同じ単語を口にしたこともあった。たぶん、途中で折れた
ツノを見た印象をまんま言ったっぽいそのときの『ブレイクブレイド』とは
違うニュアンスが、ボルキュス将軍の言葉にはあった。

第八話「ウェイスト・ランド(死地凶変)」では、クリシュナとアテネスとの
ゴゥレム同士の大規模な激突が描かれた。そこは、熱い血しぶきが、流れる
河の水のように、冷たく行き交う「戦場」。まがまがしい文字の並んだサブタイ
トルの通りの、まがまがしい風景が映し出されていた。

目の前の相手への思いやりであるとか同情であるとか、そうした気持ちが通用
しない場所を、ライガットはデルフィングとともに駆ける。その機動性は、
これまでがそうであったように、アテネス兵の多くを驚かせた。けれど、デル
フィングの姿は、これまでのような、カメラが思わずがぶり寄りになったよう
な、迫力のある絵ばかりではなかった。かぶりものをつけた二本足の何かが、
獅子舞にも似たカッコウのものがビュンビュン走っているところを、遠くから
みているような絵もあった。すこし間が抜けているようにも見えなくもない
絵ヅラだった。

いくらライガットが覚悟を決めていても、いくら世界の常識を超える速度で
も、ずっと見ていれば、相手の目だって慣れてしまうこともある。その強固
な装甲だって打破する方法だってある。そういうあやうさが、そのときのデル
フィングの姿にはあった。それでも、その動きを見ていたボルキュス将軍の
心には、何か響くものがあるようだった。

愛国心あふれる言葉で、兵と国民を鼓舞することも出来る「将軍」であると
同時に、戦場ではその名前ひとつで、敵だけでなく味方をも恐怖におとし
いれることの出来る「将軍」でもある男・ボルキュス。彼は今まさに相手の命
を奪っている最中であっても、どこか笑っているようでさえあるその表情を
変えない。淡々と、状況分析さえしてしまう。デルフィングの「力」に興味
を抱いたのは、そういう人物だった。

TVアニメ「ブレイクブレイド」公式サイト

■メインスタッフ■

総監督 アミノテツロ
監督 羽原信義
脚本 十川誠志
新作パート脚本 谷村大四郎
キャラクターデザイン・総作画監督 乘田拓茂
メカニックディレクター・総作画監督 松村拓哉
メカニックデザイン 柳瀬敬之
プロップデザイン やまだたかひろ、枝松聖
美術監督 小濱俊裕(美峰)
色彩設計 関本美津子
撮影監督 船倉一晃
音響監督 鶴岡洋太

製作 「ブレイク ブレイド」製作委員会
アニメーション制作 Production I.G、XEBEC


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