町の洗濯。
日陰の残雪。
踏みしめられたべちゃべちゃを、踏みなおす。
いろんな人がこの道を通っているんだ。

深夜の帰り道は、いつもと違う景色に胸が踊った。
何気ない垣根の幾何学模様。
小さな街灯のぬくもり。
吹き付ける風に舞う雪が、ちらちらと顔にあたる。
ちょっとした発見に、わっと驚く。

昨夜残した私の足跡は、隅っこにキレイに残っていた。
誰かと同調してもいいけど、我が道を進みたい私の、私なりの象徴。
振り替えれば、当たり前のように軌跡が。
いつもは見えないけど、見えなくても、大切にしたい。
それがいつでもキラキラしているように、私は歩みを止めない。
今日は、晴天だ。
いつだってそうだ

言いたいことのひとつも言えず
でも自分ばっかり話してる
自分の話のペースは崩さない
私は私の話したいことを話しきってしまわないと
むずむずする
かゆいところに手が届かないみたいに

なのに言いたいことが言えないのは自分のせいだ
飲み込んでしまうせいだ
我慢する必要のないこともぐっと堪えてしまう

あとでいっぱい後悔するのは
言わなかったことばかりで
内緒話を暴露することすら気に留めない私が
言いたいことのひとつも言えずに悶々としている
馬鹿馬鹿しいけど真剣に悩む

これでは独楽は回せない
―真白き月の女神に捧ぐ―

ルナは跳ねて歩くので、ご機嫌なんだと誤解されます。
悲しいときもぴょん
寂しいときもぴょぴょん
ルナだって眠れない夜はあるのです。

ルナは滅多に鳴かないので、考えなしだと誤解されます。
悔しいときも我慢
何があっても我慢我慢
ルナは思慮深いだけなのに。

ルナは耳を澄ましています。
実際、耳を澄ましています。
深く考え蓄めたことと
身に降り掛かった経験と
頭の中に響く旋律を
混ぜ合わせて、歌にするのです。

ルナの歌は、ルナが生きるための歌。
ルナの歌は、月にいるウサギに届く。
ルナの歌は、寂しい誰かの心に届く。

ルナは今日も一生懸命生きています。
人の生は旅に似る

長い旅に赴く時、
鞄には何を詰めるだろう
何を目指して出かけるだろう
誰を連れて行くのだろう

山に登ることもあれば
砂漠に彷徨うこともあり
峠を越えることもあれば
川を下ることもある

旅路は人それぞれで
一つとして同じ道はない

そんなものに正しさなどない
何が正しいかなんて関係ない
どこを重視するかも自由

でも眼は見開いていく
その人の世界に溶け込むには
その人の言葉を知る必要がある。
きっかけは何であれ
その人の世界観が心地よいものであるなら
深いところまで沈んでいきたい。
そのための手段の、言葉だ。
だから予習する。
教えてください女神さま。
あなたの言語を与えてください。
僕に教科書をください。