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あらすじ
高1春、音楽のできる仲間と澄んだ目の女子に出会った。音楽一家に生まれた僕・津島サトルは、チェロを学び芸高を受験したものの、あえなく失敗。不本意ながらも新生学園大学附属高校音楽科に進むが、そこで、フルート専攻の伊藤慧と友情を育み、ヴァイオリン専攻の南枝里子に恋をする。夏休みのオーケストラ合宿、市民オケのエキストラとしての初舞台、南とピアノの北島先生とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、一年は慌しく過ぎていく。

 

ひと言
この本を読み終えた後、You Tube でメンデルスゾーンのピアノ・トリオ第1番ニ短調の第1楽章と第2楽章。そしてバッハのオルゲルビュヒライン(オルガン小曲集)第1集 クリスマス用コラール BWV605 かくも喜びあふれる日、同じく年末と新年用コラール BWV615 汝のうちに喜びあり を聴いた。(こんな玄人の人しか知らないような曲がインターネットですぐに検索できて、聴くことまでできるなんて、すごい時代になったものだとつくづく思います)のだめカンタービレに出てくるような みんなが知っているような曲ではなく、かなり玄人っぽい曲が多かったので 演奏場面の描写のよさが私にはよくわからなかったのが少し残念でした。
 

 

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あらすじ
電車に乗るときは、縦に並ばず、横に群がる。値切り倒したものは、「これなんぼやと思う?」と自慢する。肉まんじゃなくて、豚まん!「勝ちましたね」と言ったら、その主語は?この本には、こんな大阪ルールが入ってます。

 

ひと言
よくあるような大阪人の本であるが、図書館でふと目にとまり 息抜きで借りました。

 

 

イラチ(せっかちを意味する大阪弁)の大阪人は「待つ」ことに耐性がない。
大阪人は、法とか、お上とか、一般人を統制するための権力的なものを、どこか疑ってかかる。
いかに合理的に動くかが重要。
とにかく時間を無駄にするのを何よりも嫌う大阪人。
よくいわれるように大阪人はケチなのか?というと、ちょっと違う。”合理的”というほうが近いだろう。「安いものを買いたい」のではなく、あくまでも「いいもの(自分が欲しいもの)を安く買いたい」。
高くてウマいは当たり前、安くてウマい店が流行る。
コストパフォーマンスを追求する合理主義者が大阪人(これは本文にはなく、私が付け加えた言葉です)

 

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あらすじ
友情と恋の、どちらかを選ばなくてはならなくなったら、どうしますか。鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇。それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。

 

 
ひと言
高校時代に「こころ」と出会って今回で読むのが7,8回目になります。前に読んだのは47歳のときで、漱石が「こころ」を執筆した歳でした。今年は漱石が亡くなった49歳になったこともあり、40代最後の夏(この本が本屋さんに並ぶ夏になると読みたくなります)を惜しみながら読みました。どうして「こころ」を何回も読み返すのか自分でもわからなかったんですが、私にとって「こころ」を読み返すということは、アルバムのページをめくって昔を懐かしんでいるのと同じであることに気づきました。

 

 

私の眼は彼の室の中を一目見るや否や、あたかも硝子で作った義眼のように、動く能力を失いました。私は棒立に立竦みました。それが疾風の如く私を通過したあとで、私は又ああ失策ったと思いました。もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を貫ぬいて、一瞬間に私の前に横たわる全生涯を物凄く照らしました。

 

 

叔父に欺むかれた当時の私は、他の頼みにならない事をつくづく感じたには相違ありませんが、他を悪く取るだけあって、自分はまだ確な気がしていました。世間はどうあろうともこの己は立派な人間だという信念が何処かにあったのです。それがKのために美事に破壊されてしまって、自分もあの叔父と同じ人間だと意識した時、私は急にふらふらしました。他に愛想を尽かした私は、自分にも愛想を尽かして動けなくなったのです。

 

 

女には大きな人道の立場から来る愛情よりも、多少義理をはずれても自分だけに集注される親切を嬉しがる性質が、男よりも強いように思われますから。

 

 

記憶して下さい。私はこんな風にして生きて来たのです。

 

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あらすじ
就職活動に出遅れ、将来を思い悩む大学四年生の「僕」は、とあるカフェで奇妙な広告と出会う。その名も『手紙屋』。10通の手紙をやりとりすれば、夢を実現させてくれるというのだが…。主人公といっしょに働くことの意味を見つめ直す本。ロングセラー「賢者の書」「君と会えたから…」で読者を感動の渦に巻き込んだ著者が贈るメッセージ。自分らしく生きたいあなたへ―明日を変える10の教え。

 

ひと言
読み終わった後、人に勧めたい、プレゼントしてあげたい。と思うような本でした。
それぞれの会社が持っているもののうち、あなたが欲しいものをよく考えてみてください。そして、あなたが持っているものの中で、会社や社会の人々が欲しがるものが、”時間 ”や ”お金 ”しかないのかをよく考えてみてください。絶対にそんなことはありません。例えば、笑顔や、あなたが発する言葉だって物々交換の対象になるんですよ。あなたには、もっともっと他の人が欲しがる魅力がたくさんあるのです。それをたくさん見つけて、磨いて、出し惜しみしないでどんどん周囲の人に提供してみてください。きっと思ってもみない、さまざまなものが手に入るはずです。(1通目)周囲の人に対して、今までの経験からではなく将来こうあってほしいという称号を与える人になるだけで、あなたの人生は一転するでしょう。(2通目)入社後、全体のために身を粉にして働く人も、楽をして自分の権利だけを主張する人も、何年間も一律で給与が上がるのは上司としてふさわしい人間を見極める上で、とてもいい試験材料になるのです。(3通目)「物々交換」では手に入れることができないものを手に入れる方法。あなたの頭の中にいつも”天秤 ”を用意することです。天秤の片方の皿の上には、あなたの手に入れたいものを載せます。そして、それと釣り合うものを、釣り合う量だけ、もう片方の皿の上に乗せたときに、あなたの欲しいものが手に入るのです。(4通目)……

 

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あらすじ
ニヒリズムや反宗教的思想といった独自の思想により二十世紀の哲学思想に多大なる影響を与えた、十九世紀ドイツの哲学者ニーチェ。「神は死んだ」という主張やナチズムとの関わりを噂されるなど、様々な伝説に彩られた孤高の哲人だが、実は彼は、ほとばしる生気、不屈の魂、高みを目指す意志に基づいた、明るく力強い言葉を多数残している。本書では、それらの中から現代人のためになるものを選別した。心ゆくまで、あなたの知らなかったニーチェの世界を堪能していただきたい。

 

ひと言
ニーチェを「我々の惰眠を目覚ます早鐘のような 鋭さ・新鮮さがある」と喩えられた方があったが、私のニーチェに対するイメージも全く同じである。道徳と言われるものは弱者のルサンチマン(妬み)なんだ。「超人」とは、あらゆる「運命」と向き合い、永劫回帰のニヒリズムに対してさえ、「これが人生だったのか、よし、さらばもう一度!」と自己の生を肯定し、自分の運命をつくり出し、より強く生きていこうとする意志を持った人である。と主張するニーチェ。さてこの本の感想は、翻訳者が万人に受け入れられるような言葉ばかりを寄せ集めたものであり、自分が期待していたニーチェではなかった。 

 

 

「飽きるのは自分の成長が止まっているから」
なかなか簡単には手に入らないようなものほど欲しくなるものだ。しかし、いったん自分のものとなり、少しばかり時間がたつと、つまらないもののように感じ始める。それが物であっても人間であってもだ。すでに手に入れて、慣れてしまったから飽きるのだ。けれどもそれは、本当は自分自身に飽きているということだ。手に入れたものが自分の中で変化しないから飽きる。すなわち、それに対する自分の心が変化しないから飽きるのだ。つまり、自分自身が成長し続けない人ほど飽きやすいことになる。そうではなく、人間として成長を続けている人は、自分が常に変わるのだから、同じものを持ち続けても少しも飽きないのだ。

 

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あらすじ
故郷の鉄道の行き交う波のような揺れの中、青春時代の儚い記憶がふんわりと浮かび上がる。「夏の雫」「失われた島たちの夢」「橋または島々の喪失」「不完全な円」「もしその歌が、たとえようもなく悲しいのなら」「フランスの自由に、どのくらい僕らは、追いつけたのか?」「さようなら、僕のスウィニー」「虚無の紐」「キャラメルの箱」「確かな海と不確かな空」の10編。大崎善生の新境地、鉄道を巡る短編小説集、発車します。

 

ひと言
どの短編も描写がきれいで、幻想的な感じのする作品でした。禁煙を題材にした「確かな海と不確かな空」がとても心に残りました。私も2003年の7月1日からタバコが値上げになるのをきっかけに禁煙をし、ちょうど今日7月1日で7年になります。作者の気持ちが痛いほどよくわかりました。「自分にとっての煙草の煙は物質ではなくて、記憶そのものになってしまっているのではないか。僕がいまだに焦がれているのは、ニコチンにくらくらする自分の感覚の記憶なのだ。つまり煙草と僕はある意味ではそれをやめることによって、完全に一体化したといってもいいのかもしれない。……長い時間、引き裂くような思いを経て、父もまた実体から記憶へと変質を遂げたのかもしれない。……人間と人間だったとき、あるいはその感覚が鮮明だったころはできなかったそれが、やっとなされつつある。父は物体から精神となることで、自分と一体化した。そういう意味で僕ははじめて父とひとつになることができたといえるかもしれないのだ。」

 

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あらすじ
江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。日本独自の太陰暦を作り上げること。武家と公家、士と農、そして天と地を強靱な絆で結ぶこの計画の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれながら安穏の日々に倦み、和算に生き甲斐を見いだすこの青年に時の老中・酒井雅楽頭が目をつけた。「お主、退屈でない勝負が望みか?」渋川春海の二十二年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋。みずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。
2010年 第7回 本屋大賞受賞

 

ひと言
さすが今年の本屋大賞第1位、そして自分が好きなジャンルの小説ということもあり、たいへん楽しく一気に読ませてもらいました。2009年の本屋大賞で惜しくも第2位になった「のぼうの城」の成田長親、そしてこの渋川春海。誰にスポットを当てるかによって小説ってこんなに面白くなるんだなぁと思いました。そして春海がこんなにも頑張れたのは、関孝和が「無術」と書こうとして書かなかった七分ノ三十寸の設問、そして授時暦が五月朔日の日蝕の予報を外したこと。腹を切ろうとまでしたこの2つの無念さがあったからこそ、春海は「天地明察」を成し遂げることができたのだと思う。自分も臥薪嘗胆。何事に対しても「誤謬」を恐れず「明察」に近づけるよう、頑張っていきたい。この本から元気をもらった気がした。

 

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あらすじ
ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。『このミステリーがすごい!』大賞第8回(2010年)大賞受賞作。

 

ひと言
読み終わってネットで調べてみるまで、中山 七里さんは女の人だとばかり思っていました。それも私と同じ1961年生まれのおじさんだったとは……。舞台も名古屋の栄の芸術劇場のコンサートホールが出てきたり、とても親近感を感じながら楽しく読ませてもらいました。それと曲についての表現がとても興味を引くような書き方で、その曲を聞いてみたくなりました。コンクール予選を前に岬先生が遙に言った「……君が心掛けなきゃならないのは、その音を誰に向かって飛ばすかだ。……一番後ろの席に座る人に向けて弾くんだ。……。君は、君のピアノを聴くために遠くから足を運んでそれでも最後列になってしまった人に自分の想いを伝えるため、ここに立つ-そういう風に思うんだ」

 

6月12日 ナゴヤドームで愛知県吹奏楽連盟 創立50周年記念演奏会があり、演奏を聴きに行きました。6000人の大合奏は大迫力で、このような大人数の記念演奏会を企画した愛知県吹奏楽連盟には唯々感心させられました。この記念演奏会に携わったすべてのみなさんほんとうにお疲れさまでした。

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あらすじ
きっかけは、昔読んだ忘れられない本。その本に他の人はどんな感想を抱いたかを知りたくて、伸行はインターネットで本の名前を検索にかける。その中でヒットした一つのサイトが、『レインツリーの国』。そこの管理人であるひとみの感想に興味を引かれ、ひとみにメールを送る。「あなたを想う気持ちに嘘はない。でも、会うことはできません。ごめんなさい」かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった……。

 

ひと言
しばらく読んで、以前に借りて読んだことがある本であることに気づきました。(有川さんごめんなさい。こういうことを避けるために、このブログを書き始めたのです)200ページちょっとなのと、2人のメールのやりとりが心地よく読みやすいので、最後までもう一度読みました。「聴覚障害者にしか聴覚障害の悩みや辛さは分からない。だから分かり合うことなどできないと思っていた。だが、他人に理解できない辛さを抱えていることは健聴者も変わらないのだ。その辛さの種類がそれぞれ違うだけで。聞こえるのだから自分たちより悩みは軽いに決まっているなんて、それこそハンデのある者の驕りでしかなかったのだ。……」