クリームパンが人気の「ブレヴァン」へ。クリームパン(237円)、クローネ カスタードクリーム(345円)、ガーリックフランス(388円)、明太子フィセル(302円)を購入。クリームパン、巻きクローネはカスタードクリームがたっぷり入ってとても美味しいです♪。昔は大須ベーカリーのクリームパンがNo.1だと思っていましたが、SUNtoF、こちらのブレヴァンも美味しく、ここ数年クリームパンは全体的に各店レベルアップしてきていると思います。ガーリックフランスはトースターでリベイクしていただくと部屋じゅうガーリックのにおいがして、個人的にお気に入りのパンでした。ごちそうさまでした♪。

 

ブレヴァン

名古屋市昭和区陶生町1


今日のお昼は「白壁カフェ 花ごよみ」です。こちらのお店は早咲きのオオカンザクラの並木道沿いにあるお店で、先週の桜が満開の時期に訪れたのですが満員で入れませんでした。

 

 

お店一番人気の花ちらし(1480円)をいただきます。海鮮だけでなくお肉も盛られていて、とても美味しいちらし寿司でした。他にもおにぎりのモーニングなどもありまた伺わせてもらいます。ごちそうさまでした♪

 

白壁カフェ 花ごよみ

名古屋市東区主税町4

4月7日 桜が満開との情報に触れ、居ても立っても居られずに京都へ

 

 

山科から地下鉄東西線で東山駅へ、白川沿いに歩いて平安神宮へ

 

 

両岸の満開の桜の中、岡崎さくら回廊十石舟めぐりの船が行き交います。

 

 

子どものころ(市電に乗って平安神宮に来たころ)神苑を拝観したのかどうか定かではありませんが、はじめての神苑を拝観します。

 

 

 

もう何も言うことはありません。ただただ素晴らしい! 

 

 

満開でこれ以上はないほどの見頃で、時間も9時ということもありますが予想よりかなり空いていて大満足!!!

 

 

平安神宮のすぐ北東にある岡崎神社をお参りします。手水舎には、水を掛けてお腹を擦り祈願すると、子宝に恵まれ安産になると信仰を集めている子授けうさぎがあります。

 

 

203系統のバスで次の目的地 大報恩寺(千本釈迦堂)へ。

 

 

こちらも有名な阿亀(おかめ)桜が見事です。

 

 

もちろん桜もお目当てですが、今回千本釈迦堂を訪れたのは、昨年5月国宝に指定された六観音菩薩を拝観するためです。(もちろん撮影禁止なので写真はネットから拝借)

 

 

鎌倉時代の仏師、運慶の弟子の 定慶(じょうけい)作。(左から)聖観音、千手観音、馬頭観音、十一面観音、准胝観音、如意輪観音です。応仁の乱の戦火から免れ、保存状態も良好なこんな素晴らしい六観音が現在に残り、こうして拝観できることに唯々感謝です。

 

 

近くの千本玉壽軒で桜餅を購入し、50系統のバスでわら天神へ。

 

 

わら天神で昨年の8月に生まれた初孫のお礼参りを済ませ、こちらも桜の名所の平野神社へ

 

 

こちらの桜もちょうど見頃の満開で素晴らしいです。

 

 

ベンチのすわり、先程の桜餅をいただきます。満開の桜を眺めながらいただく桜餅。なんという贅沢なひとときでしょう。

 

 

京都で一番最初に咲くと言われる魁(さきがけ)桜も満開です。

 

 

北野天満宮にもお参りし、バスと地下鉄烏丸線で五条駅へ。そこから歩いて「半兵衛麩 本店」の3階にある「Cafe ふふふあん」へ。今読んでいる「京都祇園 もも吉庵のあまから帖」に出てくる麩もちぜんざい(1210円)をいただきます。

 

 

 

半兵衛麩へ来たからには名物 笹巻麩(248円)もいただきます。

 

 

河原町五条から205系統で京都駅へ。家族にも喜ばれるいつものカルネ(@270円)6個と551の豚まんをおみやげに帰路へ。

 

 

毎度のことですが、今回の旅もよく歩きました。京都はバスを待っても、来たバスが満員で乗れないということがよくあるので、健康のためにも歩くのが一番です。

 

 

 

今回はお天気にも恵まれ、今までで一番の桜の満開の時期にも重なり、とても充実した京都旅でした。そして千本釈迦堂の六観音菩薩のすばらしさは他の人にも是非おすすめしたいです。次はいつ訪れることができるのかなぁ 今、旅を終えたばかりなのに、次の京都旅に想いを馳せています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ
京都・祇園。一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」を営む、元芸妓・もも吉の人生の機微に通じた言葉が、悩みを抱えた人々の心を癒す――。和菓子屋の娘の接客を見た華道の家元が、そこに「奥義」 を感じた理由とは。舞妓修業中に失踪した少女が、ある覚悟を持って置き屋のお母さんの前で見せた「舞」が起こした奇跡。入院中の子供に贈り物を届ける「祇園祭のサンタ」の正体を知った新聞記者の逡巡……。古都の風物詩と共に綴る、感涙必至の人情物語。


ひと言
もも吉庵の名物メニュー 麩もちぜんざいって、どのお店をモデルにしてるんだろうと色々調べていたら、なんと清水五条の名店「半兵衛麩」が商品化し、すぐ隣の「Cafeふふふあん」で提供を始めたとのこと。ちなみに主人公のもも吉さんは祇園甲部のお茶屋「吉うた」の女将・高安 美三子みみこさんがモデルとのこと。まだ読んでいない8巻には半兵衛麩の社長が若い女性銀行員に、家訓「 先義後利せんぎこうり 」(義を先にして利を後とする)を紹介するシーンがあるらしい。

今回も五色豆で有名な豆政、出町ふたばの豆餅、北野の天神さんの「大福梅」、とらやの黒砂糖入ようかん「おもかげ」、亀屋清永の日本最古のお菓子と言われる清浄歓喜団、大極殿本舗六角店 栖園(せいえん)の「琥珀流し」、寺町通の村上開新堂のオレンジゼリー「好事福盧(こうずぶくろ)」など有名処がいっぱい。今度京都に行ったときには、是非麩もちぜんざいを食べてみたいと思いました。




京都へ初めて仕事で訪れた人が、老舗の商家でこんなやりとりをして戸惑ったという。「古いお店ですね」「それほどでもあらしまへん」「でも、この柱はいかにも……」「みんな戦争で焼けてしもうて」おかしいな……少なくとも百年以上は経っているように見えるけど。そう思い、聞き返す。「戦争って、太平洋戦争?」「違います」「ああ、明治維新の時の鳥羽伏見の戦いとか」「いえ 、応仁の乱どす」もちろん、ジョークである。だが、幾度も戦火に見舞われ、町じゅうが丸焼けになったのは事実。ゆえに、そんな話がまことしやかにささやかれるのが、京都の町なのだ。
(第一話 年暮れて 京の片隅華が咲く)

「もも華」こと久美子は、ある日、池坊主催のイベントで舞を披露した。その際、東京から来賓に招かれていた華道「柳生流」宗家の跡継ぎ・英斎に見初められたのだ。会の後、「お付き合いを」と求められた。「おおきに」と軽く受け流した。「おおきに」とは、花街では「イエス」という意味ではない。「ありがとうございます。とてもいいお話ですが、ありがたくお気持ちだけ頂戴いたします」という含みなのだ。もし、「ノー」と言えば、気まずくなる。相手様のプライドにも傷がつく。やんわりとお断りする「粋な」言葉なのだ。ところが、ところが… …関東の男は、まっすぐだった。「おおきに」を「イエス」と受け取ってしまった。それも一途に。なんと、月に五度、六度と新幹線で祇園に通い始めた。
(第一話 年暮れて 京の片隅華が咲く)

数日前のことである。身重のお客様から「安産の神様へお参りしたい」と言われ、お連れしたのが平安神宮の近くの岡崎神社だ。うさぎ神社とも呼ばれ、狛犬ならぬ狛うさぎが社の前に鎮座している。安産の神様として信仰を集めるとともに、子授けのご利益もある。その時、境内で佐保の姿をチラリと見かけたのである。……。……。岡崎神社には「子授けうさぎ」という石像が手水舎にあり、水をかけてお腹をさすり祈願すると子宝・安産に恵まれるという謂れがある。今さっき、佐保が出て来た梅宮大社も子授けのご利益で有名だ。
(第二話 秘め事や桃の節句のものがたり)

「世の中にはなあ、知らん方がええこともある。聞かん方がええこともあるんと違いますやろか?」「……」それは間違いなく、勇に向けられた言葉だった。「昔から、秘すれば花と言いますなあ。もし、知ってしもうたら、聞いてしもうたら、辛い思いをするお人がおるんやないやろか。人の心を苦しめてまで、知らなあかんことはないのと違いますやろか」強くはあるが、やさしさを含んだ瞳で見つめられた。勇は、たじろぐことさえもできなかった。どう答えたらいいのか。勇は何も考えられぬまま、漏らすように言葉が出た。「もしも……もしも、私がその男はんやったら、……誰にも知られたくない思います」「あんたはんも、そうどすか」と、もも吉が答えた。隠源が、低く絞るような声で言う。「古くから『陰徳(いんとく)』いうんがある。善い行いは、陰でこっそりすべし。どこどこになんぼ寄付したと広言するんは好ましくないという教えや」間違いない。ここにいる雲水の名は「隠徳」という。その名の響きも、偶然とは思えない。
(第五話 都大路 涙ににじむ山と鉾)

「そいで、ぎょうさん勉強して、パパみたいな新聞記者になるんや」「え!? お前、新聞記者になるんか?」「なに言うてんの。ああ、この前、七夕さんの時、仕事で来られへんかったさかい見てへんのやな。ちゃんと見てくれんと泣くで~」「ごめん、ごめん、何をや?」「短冊の願い事や。パパみたいな新聞記者になれますようにって書いたんや」なんと泣かせることを言ってくれるのだ。小鈴に寄り添っていてやれないのは、仕事のせいだ。だから、てっきり、新聞社の仕事を嫌っていると思い込んでいた。「そやからうち、『小児科タイムス』作ったんやないの」「なるほど、そういうことか」小鈴は、こぼれそうな笑みを浮かべている。「あのな、小鈴に一つ謝らなあかんことがあるんや」「なんやの」「祇園祭のサンタさん、今年も見つからへんかった……」「なに言うてんの! サンタさん見つけてどないするんや」「え?」「サンタさん見つけて写真撮るんか? そんなん、粋やないでぇ。サンタさんはなぁ。いるようで、いないようで、それでもいるからええんや。違う?」「む、む、……そうやなぁ、その通りや。そやけど、小鈴、祇園祭のサンタさんに会いたいって短冊に書いたこと……」「そんな大昔のこと忘れたわ」「え? ……忘れた」「ええんよ、そんなん」「ええんか?」「だってな……」「なんや」「だって、だってな~」「なんや、なんや~」小鈴がいきなり、勇に飛びついて来た。「危ないやないかぁ」ギュッと腰に抱きつかれた。「だってな~うちのサンタさんは、パパやもん」
(第五話 都大路 涙ににじむ山と鉾)

 

 

今日は娘と7カ月の孫と一緒に「カフェ・グローブ」でランチです。いつも駐車場がいっぱいの人気店で、生パスタランチ(1400円)をいただきます。温かくないのでバーニャカウダではなく野菜スティックと言ったほうが正しいのかもしれませんが、オリーブオイルのソースが絶品でもう一つ二つ食べたいぐらい美味しいです。パスタももっちりとした生のパスタで、これもとても美味しいです。また伺わせてもらいます。ごちそうさまでした♪♪。

 

カフェ・グローブ

名古屋市千種区春岡通7

 

昨日の21時、開店からずっとトライしてきたゴディパンのデジタル整理券が運よく取れました。

 

 

整理番号H4、これだけで入場できるの?と思っていましたが、お店の前まで誘導されてちょうど予約時間の1時30分になるとQRコードがケータイに表示されました。店員さんがすぐに画面をタッチしてQRコードは消えてしまいましたが、さすがゴディバ高度なシステムです。

 

 

お一人様5個までという制限があるので、一番人気のコロネ(ショコラ)464円×2、カカオフルーツのクリームパン(388円)、ショコラティエのカレーパン(464円)、名古屋限定のあんバターショコラぱん(453円)を購入。まずはコロネから、当たり前ですがチョコがとても美味しく、一番人気も納得。カカオフルーツは今まで食べたことのない味で、これがカカオフルーツなのか!もう一つ食べたいくらい美味しいです。カレーパンも娘と半分ずつカットして食べたのですが、チョコを練りこんだカレーとチョコが分かれていて、十分ありの美味しさです。あんバターはブリオッシュ生地とホイップバターがマッチして美味しいです。他にも食べてみたいパンがいっぱい。また頑張ってデジタル整理券が取れるよう頑張ります。ごちそうさまでした♪。

 

GODIVA Bakery ゴディパン 松坂屋名古屋店

名古屋市中区栄3 松坂屋本館地下 2F

 

あらすじ
「まずは、甘いものでもおあがりやす」元芸妓のもも吉は、わけあって今は祇園で甘味処「もも吉庵」を営んでいる。一見さんお断り、メニューは「麩もちぜんざい」のみの小さな店だ。そんな店を訪れるのは、舞妓になるために十五歳で祇園へやってきた少女、妻を亡くして一人で京都を旅する中年男性――様々な悩みを抱えた人たちへのもも吉の言葉は、ときに辛口だが、彼らの心を解きほぐしていく。京都の四季に彩られた感動の連作短編集。


ひと言
京都が大好きで、読者メーター読みたい本ランキング1位を連続達成ということで、これはもう読むっきゃないでしょう。
町の図書館にはなかったので、名古屋市図書館に予約を入れました。千本通りの「五辻(いつつじ)」さん(第一話)【五辻の昆布 本店】、塩芳軒の久里最中(第三話)【御菓子司 塩芳軒】、鍵善良房のくずきり(第四話)【鍵善良房 四条本店】、寺町の亀屋吉永はんの御池煎餅(第五話)【亀屋吉永】など京都の有名処も満載。ただ第四話の「京菓子司 吉田甘夏堂」からあんこを仕入れているとありますが、調べてみてもそんなお店は見つかりませんでした。【甘春堂 本店】のこと?七条 甘春堂が他店にあんこを卸しているなんて聞いたことがないし、嘘を掲載するとまずいと思ったのかなぁ。「粋」でとても素敵な内容の本で楽しく読ませてもらいました。ただ一つ気になるのが毎話毎話 もも吉、美都子、隠源、おジャコちゃんの紹介文があり、もう ええって!と思ってしまいました。

美都子はポケットから西陣織の小銭入れを取り出す。そこから、百円玉を取り出した。「うちもときどき、お賽銭投げに来るんどす」そう言い、ポーンと上に向けてほうった。実は、この恵美須神社には、面白い祈願の方法がある。二の鳥居の上部に、縁起物の「熊手」を模した「箕」が掲げられている。普通、神額が掛けられているところだ。その真ん中には、二コニコと満面の福笑みを浮かべていらっしゃる恵美須さんの顔。願い事を唱えつつ、お賽銭をほうり投げ、「箕」の網の中に納まったなら、その願いがかなうと言われているのだ。
(第二話 悩み秘め 恵美須神社に願いごと)

もも吉は朱音の方に向き直った。一つ溜息をついたかと思うと、裾の乱れを整えて座り直す。普段から姿勢がいいのに、いっそう背筋がスーツと伸びた。帯から扇を抜いたかと思うと、小膝をポンッと打った。ほんの小さな動作だったが、まるで歌舞伎役者が見得を切るように見えた。「京極社長はんがな、なんべんも『頑張る、頑張る』言わはるんでなぁ、こう言うたんや」「……はい」朱音は、急に知らないところへ連れて来られた上に、何が始まったのかわからない様子。それでも、おどおどしながら、まっすぐにもも吉の瞳を見つめている。「『それは間違うてます。仕事いうんは、頑張るもんやない。気張るもんや』てな」「え? ……気張る……ですか?」「そうや、『気張る』や。なんて言うたかなあ、アカネちゃんやったか」「はい、朱音です」「『頑張る』と『気張る』、似てるけど違うんや。わかりはるか?」「……」朱音はキョトンとして、女将と社長の顔を代わる代わる見た。もも吉は、興に乗ったらしく、続きを語り出す。「『頑張る』いうんはなぁ、『我を張る』こと。つまり自分一人の頑張り、独りよがりのことやなぁ。それに対して、『気張る』いうんは『周りを気遣って張り切る』ことや。仕事は一人ではできひん。周りの人たちを巻き込んで、助けたり助けられたりして、いろいろな考えを一つにまとめて自分の力を発揮することや」丹衛門が、ひと言添える。「そうやなぁ。祇園ではみんな『おきばりやす』と、よう口癖みたいに言いますなあ」
(第二話 悩み秘め 恵美須神社に願いごと)

持病の経過を診てもらいに病院へ行った帰り、ふと、思い立って聖護院にほど近い須賀神社に詣でた。縁結びの神様だ。節分のこの日、境内に烏帽子に白い布で覆面をした姿の「懸想文(けそうふみ)売り」が現れる。懸想文とは、恋文つまりラブレターのことだ。平安時代がことの始まり。当時は、文字が書けるのは公家や僧侶くらいしかいなかった。でも、いつの世にも「恋愛」は人の一番の関心事だ。そこで、生活に困窮した公家たちが、ラブレターの代筆業を始めたのだ。高貴な人たちなので、正体を隠すために、覆面をしたわけだ。それが江戸期になって、風俗行事として広まった。この「懸想文」は、良縁のお守りとして、ご利益があると言われている。恋の当人に限らず、子供可愛さの親御さんがやってくるのも珍しくない。……。……。
そのもも吉にも唯一苦手な相談がある。「恋の悩み」だ。若かりし頃、もも吉は恋にしくじったことがある。一度きりの恋。以来、恋はしていない。それゆえに、誰にもアドバイスすることができない。かといって、相談事でもっとも多いのが、恋の悩みなのだからややこしい。そのため、年に一度、「懸想文」を十通、二十通と許される限り求めてくる。そして、恋に悩む者にそっと渡すのだ。「これを誰にも見られへんように箪笥の抽斗に仕舞っておきなはれ。良縁がまとまるかもしれへん。恋しい人から恋文が届くかもしれへん」と言って。その日も、手提げの中には「懸想文」がいっぱい入っていた。人が代わりにもらったお守りで、神様が聞き届けてくださるかどうかは不安である。それでも、それが、もも吉の精一杯の思いやりだった。なんやかんやで、寒さと疲れから腰が痛みだしていた。短い区間ではあるが、座りたいというのが本心だった。だが、「どうぞ」と言われ、ついつい長年染みついた「意地」の方が口に出てしまった。「席譲られる歳やあらしまへん。どうぞおかまいなく」言ってから、「しまった」と思った。一瞬陰った青年の瞳が、よほどさびしげに見えた。断り方にも言いようがある。(しもうた。これは無粋やった)だが、反省する間もなく、青年はさらに声を掛けてきた。「歳は関係ありません。レディーファーストです!」もも吉はポカンと口を開けた。言葉を失った。すぐに、声を上げて笑った。「ほほほほっ、レディーファーストどすか、それは降参や降参。遠慮のう座らしてもらいまひょ」もも吉は、青年の一言で「すくわれた」と思った。青年も無言で笑った。ここでもも吉は、ふと悪戯心が湧いてきた。年甲斐もなく、彼を好きになってしまったのだ。それも、男はんとしてだ。「お兄さん、それにしても粋なお人やなあ。惚れてしまいましたがな」「惚れて」というところを特に大きな声で言った。……。……。
もも吉は、はっと思い立ち、手提げから「懸想文」を一つ取り出し、青年に手渡した。それも、半ば強引に、手を取ってギュッと握らせる。「ええ恋が実りますように」と言い添えた。青年は「何事か」とキョトンとしている。頬が、さらにポーツと赤くなった。よほど、「純」なのだろう。その場に居合わせた人たちの目に耐えられなくなったのだろうか。青年はもも吉に向かって小さく会釈をすると、ちょうど到着した三条駅のホームへと飛び出して行った。まるで、恥ずかしさから逃げるように。それが、もも吉には、ますます初々しくてたまらないのであった。……。……。さきほどの花街の人らしき女性の顔を思い浮かべつつ、線路に向かってポツンと立った。その時だった。「あの〜」「……え?」後ろから声を掛けられた。振り向くと……。「え!」巌夫が返事をする前に、セーラー服の女の子が言った。「見てました。うち、隣の乗車口あたりからずっと見てました。カッコよかったわぁ」「……」それは、「会いたい、会いたい」と願っていた女の子だった。吉田……名前はわからない。「レディーファーストやて、粋やわぁ」巌夫は、事態が摑めぬまま答える。「粋?」「粋な男はんやね」巌夫は、またまた顔が真っ赤になった。「うち、吉田令奈いいます」「あ……僕は、ほ、本間巌夫や」
(第四話 粋なお兄さんに恋して)

 

 

あらすじ
『キネマの神様』映画化に際し山田洋次監督は自身の若き日を重ねて脚色。そのシナリオから著者が新たに生み出すもうひとつの物語。

ひと言
本を読み終えて、すぐ Prime Video で1989年カンヌでパルムドールを受賞したイタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を観ました。そしてすぐレンタルDVD屋さんに行き「キネマの神様」を借りました。2008年に刊行された原田マハさんの「キネマの神様」。調べてみると私は2013年にこの本を読み、すごく感動したのを覚えています。2021年8月には山田洋次監督のもと映画化。この「キネマの神様 ディレクターズ・カット」という本はその5カ月前に山田洋次監督の映画のシナリオをもとに原田マハさんが書き直したものです。
映画は当初、志村けんと菅田将暉の主演で2020年12月に公開予定でしたが、2020年3月24日に志村の新型コロナウイルス感染が明らかになり、その5日後の3月29日には志村けんさんはお亡くなりになりました。映画の最後の方にはずっと志村けんさんを意識しながら熱演された沢田研二さんが東村山音頭を歌うシーンが残されていたり、エンドロールにはゴウ役の主演 沢田研二さんから始まり、締めのテラシン役の小林稔侍さん、淑子役の宮本信子さんの後に枠で囲まれる形で「さようなら 志村けんさん」の文字が…。コロナに翻弄された4年間でしたが、改めて志村けんさんのご冥福をお祈りいたします。(合掌)とてもいい本、2本ともとてもいい映画でした。




「じゃあ、テラシンさんの夢って何?」くったくなく訊いてくる。テラシンは視線を遠くの水平線に移して、言った。「映画館を経営すること」「映画館……」「そう。僕が自分で映写機を回して、古い映画も新しい映画も、とにかく僕が好きなシャシンだけを集めて上映する。そういう『名画座』。名前も決めてあるんだよ」「何て名前?」淑子がいっそう目をきらめかせた。テラシンは、ようやく淑子の目を見て答えた。「テアトル銀幕。―― 『テアトル』はフランス語で劇場という意味で、『銀幕』はスクリーンのこと。僕がいちばん好きな言葉をふたつ、組み合わせたんだ」淑子は、ほうっと小さく息をついた。「すてきな名前……」いつか、実現するといいですね。
(1969年(昭和44年)7月 鎌倉 大船)

「歳の差六十のコンビが書く脚本なんて……どうなのかなあ」「あら、そこが面白いんじやないの。もう五十年もまえのことだけど、私、はっきり覚えてるわよ。お父さんが顔を輝かせながら話してくれた 筋書き」言いながら、淑子も顔を輝かせている。歩は微笑んだ。「完成まで聞くまいと思ってたけど……。ね、ちょっとだけ教えてよ。どういう内容なの?」淑子は箸を止めて、「私から聞いたって、お父さんに言っちやダメよ」と念を押した。
どうやら話したくてたまらない様子である。歩はうなずいた。「それがね。とっても面白いの」淑子が重ねて言った。「わかってるって。どう面白いの?」歩が苦笑した。「主人公は既婚のきれいな女性で……そう、その主人公を桂園子さんが演じることになってたのよ」「へえ、それはすごいね。桂園子かあ。で、その奥さんがどうしたの?」「彼女には、真面目だけど細かいことばかり気にする夫がいて、意地悪な姑もいて……彼女が唯一、憂さを晴らせるのは映画を観ているときだけ。彼女は夫に隠れてヘソクリを貯めて、そのお金でせっせと映画館に通っているの。憧れのスターがいて、銀幕の中の彼を見るために、同じ映画を何度も何度も観にいって……」淑子は目の前のスクリーンを見上げるようなまなざしで、幻の映画〈キネマの神様〉の筋書きを生き生きと語って聞かせた。
スクリーンから憧れのスターが飛び出してきて、主人公の女性とデートをし、ふたりは恋に落ちる。けれど主人公には辛い現実が待ち受けている。いつまでも彼と一緒にいたいけれど、帰宅して夕飯の支度をしなければならない。帰りたくない。このままいっそ、ずっと彼と一緒にいたい。彼も、君を現実の世界へなんか返さないと言う。このまま僕とスクリーンの中へ帰ろう。さあ、一緒に……行こう。淑子が夢中で語るのを聞きながら、歩はふいに目頭が熱くなるのを感じた。―― あれ? どうしたんだろ、私。なんか、すごい感動してる……若き日のゴウが創ったその話は、映画への憧れと夢、そして愛情がいっぱいに詰め込まれていた。銀幕のスターと恋に落ちるなんて、たとえスクリーンから飛び出してこなくたって、そんなこと現実にはありっこない。誰だってわかっている。だけど 、だからこそ映画なのだ。あり得ないからこそ、映画を観る。それはつまり、いっときでも 現実を忘れて 夢を見るのと同じことなのだ。……。……。一生懸命、完成しなかった映画の筋書きを語って聞かせる淑子。隣の部屋ではゴウと勇太がさかんに意見を交わす声が聞こえている。未完成の脚本をやり直すんだと意気込むふたり。情緒たっぷりにセリフを言ったり、笑ったり、はしゃいだりしている父。まっすぐに自分の意見を言いながらも、ゴウを立てて盛り上げる勇太。奇跡なんか、起こりっこない。辛いばかりの現実だ。だけど、いま、この瞬間。確かに私たちは幸せだ……「っていうオチなの。ね、面白いでしよ?」最後まで話し終えると、淑子はさも嬉しそうな笑顔になった。
(2019 年(令和元年)12月 東京 武蔵野)

さっき観てきた映画のパンフレットを広げて、どんなにいい映画だったか、年頃の娘に語って聞かせる父 ―― おい歩。〈ニュー・シネマ・パラダイス〉は、絶対にディレクターズ・カットのほうがいいぞ。映画館で上映してるのは、配給会社の都合で監督の観せたいところをカットしちゃってるんだからな。―― 映画はな、歩。ほんとは誰が主演かで観るもんじやない。監督で観るもんだ。なぜって、映画っていうのは監督のものだから。だから、ディレクターズ・カットがなんと言ってもいちばんなんだよ。―― 歩。お前もしんどいことがいっぱいあるだろうけど、それが人生ってもんだからな。人生は映画じゃない。都合よくカットはかからないんだ。でも、だからこそ、人生に映画があるんじゃないか。なあ、そうだろ? ままならない人生をどうにかこうにか生き延びるために、人は映画を観に行くんだ。映画の中に、自分がそう生きるはずだったかもしれないもうひとつの人生を探しに。だから、この世に映画がある限り、人々は映画館へ出かけていくだろう。家族と、友人と、恋人と……ひとり涙したいときには、ひとりぼっちで。
(2020 年(令和2年)2月 東京 武蔵野)

『それでは、受賞者の円山郷直さんに代わりまして、歩さんにひと言頂戴いたします。歩さん、よろしくお願いいたします』しんと静まり返る会場。スマホを通して、張り詰めた空気感が伝わってくる。ゴウはごくりと喉を鳴らした。消え入るような歩の声が聞こえてきた。
『……昨夜、入院中の父に会いに行きました。授賞式で何を話したらいい? と聞くと、これを読んでくれと、メモを渡されました。いまから、それを代読したいと思います』おや、とテラシンはゴウの顔を見た。「なんだ、ゴウちゃん。ちゃんと原稿用意してたのか」ゴウは、これで三度目、ぷいと横を向いて、「もういい。消してくれ」とぶっきらぼうに言った。照れくさくて聞いていられないんだろう。「いいから、ほら」とテラシンは、ゴウのとなりに寄り添って耳元にスピーカーを近づけた。『……母さん。淑子。……僕の淑子ちゃん』歩が呼びかける声が聞こえてくる。会場の淑子の顔に驚きが広がるのが手に取るようにわかる。テラシンは目を閉じて、耳を澄ませた。ありがとう。お前のおかげだよ、何もかも。今日までどうにか生きてこられたことも、ぜんぶ、お前が一緒にいてくれたおかげだ。お前がおれをあきらめず、辛くて長い道のりを、どこまでも一緒に歩いてきてくれたから。ありがとう。ほんとうに、ありがとう。  そして可愛い娘の歩。どうか許しておくれ。このどうしようもないダメな父さんを。母さんに迷惑ばかりかけ、お前たちにいい思い出をひとつも作ってやれなかったこの父を。おれがお前に教えてやれたことは、ただ好きな映画を観ることだけ。だけどお前はそれを、見事に自分のものにした。こっそり白状しよう。映画ライターとして活躍してきたお前の書いたものを、父さんはひとつ残らず読んできた。だから言わせてほしい。お前は、日本一の映画ライターだ。  孫の勇太。どうしてお前みたいに出来のいいやつが、おれの孫になってくれたんだろう。じいちゃんは不思議でならないよ。このろくでなしのじいさんに「才能がある」と 言ってくれたのはお前だった。木戸賞に応募しようと言い出したのも。お前は、最高の男だ。この受賞はお前のものでもあるんだからな。一緒に受け取ってくれよ。
おれたち家族は、壊れかけたポンコツみたいな家族だった。だけど、おれたちにはいつも、映画があった。それをおれに思い出させてくれた、淑子、歩、勇太。お前たちは、最高の家族だ。おれたちは、世界一の家族だ。最後にもう一度、この奇跡に感謝を告げよう。いや、何度だって奇跡を起こそう。この物語を伝えるために。ありがとう。ほんとうに、ほんとうに、ありがとう。
最初から潤んだ声で始まって、途中は声を詰まらせ、途切れ途切れになり、ひたむきに、しまいには思い切り泣きながら、歩は最後まで読み切った。あたたかな拍手が会場を包み込んだ。テラシンの閉じたまぶたから、幾筋もの涙が流れ落ちた。
(2020 年(令和2年)2月 東京 武蔵野)

 

 

今日は仕事帰り「とう吉饅頭 本店」に立ち寄り、酒元とう吉饅頭(150円)と草もち(180円)を買って帰ります。お店の一番人気の酒元とう吉饅頭は、今は無き納屋橋饅頭を思い出すような酒蒸し饅頭で、酒の香りがとてもよく立ち上品なあんと相まってとても美味しい酒蒸し饅頭です♪。いいお店を見つけました。また酒蒸し饅頭が食べたくなったら立ち寄らせてもらいます。ごちそうさまでした♪。

 

とう吉饅頭 本店

名古屋市中村区大宮町3

 

 

 

今日のお昼は「アリアナレストラン」でお店一番人気のバターチキンカレー(920円)にドリンクはマンゴーラッシー(250円)に変更しました。食べログ カレー百名店に選ばれているだけありカレーもナンも美味しいです。ナンは2枚までおかわり自由ということで、お店の人がナンのおかわりはどうですか?とわざわざ聞いてくれましたが、もう歳だし1枚でお腹いっぱいになります。マンゴーラッシーはとても濃厚で、今までいただいたマンゴーラッシーの中で一番濃厚でした。別料金になりますがおすすめです。とても美味しいナンカレーでした♪。ごちそうさまでした♪。

 

アリアナレストラン

名古屋市東区筒井3