あらすじ
大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!
(2018年本屋大賞 6位)
大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!
(2018年本屋大賞 6位)
ひと言
もうすぐ2019年のノミネート作品が発表される時期になりましたが、まだ読んでいない2018年の本屋大賞の6位ということで読みました。出版業界の内情を描いた作品、出版不況、読書離れ、紙媒体の電子化……。書店員が選ぶ本屋大賞だから仕方ないのかもしれないけど、またかよ…と少々食傷気味。どれぐらいの書店員に支持されているのかと調べてみると一次投票(ノミネート10作品を選定)には全国504書店665人、二次投票(10作品に順位をつける)には311書店374人の投票。たった374人で決めた本屋大賞?!それも6位。1位の「かがみの孤城」も2位の倍以上の得点で、確かに悪い作品ではなかったけれど、これが本屋大賞なの?というのが正直な感想で、選んだ書店員の感性を疑いました。最近は本屋大賞のノミネート作品を読んでも感動作は少ないし、もう少しプロ意識をもって書店員は選んでください。
22日の2019年のノミネート10作品の発表に期待しています。
もうすぐ2019年のノミネート作品が発表される時期になりましたが、まだ読んでいない2018年の本屋大賞の6位ということで読みました。出版業界の内情を描いた作品、出版不況、読書離れ、紙媒体の電子化……。書店員が選ぶ本屋大賞だから仕方ないのかもしれないけど、またかよ…と少々食傷気味。どれぐらいの書店員に支持されているのかと調べてみると一次投票(ノミネート10作品を選定)には全国504書店665人、二次投票(10作品に順位をつける)には311書店374人の投票。たった374人で決めた本屋大賞?!それも6位。1位の「かがみの孤城」も2位の倍以上の得点で、確かに悪い作品ではなかったけれど、これが本屋大賞なの?というのが正直な感想で、選んだ書店員の感性を疑いました。最近は本屋大賞のノミネート作品を読んでも感動作は少ないし、もう少しプロ意識をもって書店員は選んでください。
22日の2019年のノミネート10作品の発表に期待しています。
二階堂はヘネシーを口に含むと「また本屋が潰れたよ」と話を変えた。 どんなに大物になっても、彼が書店で自分の本の扱いをチェックするのは有名な話だ。「ご自宅近くの?」 「そうだ。十年前までは歩いて行けるとこが四軒あったのに、これであと一軒」 残った一軒は全国展開する大手の書店らしい。書店数もピーク時に比べ約四割減っている。一方で売り場面積自体はさほどの減少が見られないことから、大型チェーン化が進んでいるとも取れる。 「入れ替わるように駅前にできたのが古本屋ときた。参ったよ、全く」 中古本が売れても作家や出版社に印税が入らないので、話題の新刊を大量に買い取って安値で売る中古本販売店の存在は、つくり手にとって脅威だ。 「それに図書館だって、心中複雑なもんだ。この前のトークショーでファンだっていう若い女に言われたよ。『先生の本は人気だから、なかなか借りられないんです』だって。正気を疑うよ」 「最近の図書館はベストセラーから文庫まで随分、気前がいいですもんね。こちらとしましては、貸し出す本自体はお買い上げいただいてるので……」 二階堂が複雑だと言っているのはそこだ。売れっ子作家にとっては、図書館が充実すれば不利に働くが、売れない作家にとっては図書館の売上が初版部数に与える影響が大きい。これからの作家を支えるという点ではありがたい存在だが、手放しで喜べない現状がある。数年前から公立図書館の書籍貸出数が、販売数を上回る状態が続いている。 「買うより借りる人間の方が多くなって、尚且つ電子図書館だと? ふざけるのもそれぐらいにしろっ」 二階堂は不満顔で、白い前髪を払った。
(第二章 3)
(第二章 3)
「今さらですけど、街にいる人はみんなスマホを見てるんですよ。あれでゲームやってる人や漫画を読んでる人は見たことあるんですけど、小説はない。一度もですよ」 「我々にとっては厳しい時代ですよね」 「そんな、タダで遊べるようなくだらないゲームに貴重な時間を使って……。みんな本当に何にも考えてないんでしょうね」 高杉は珍しく強い口調で話した後、バツが悪そうに笑った。感情的になったことに、恥ずかしさを覚えたようだ。だが、速水にはその気持ちがよく分かった。丁寧につくられた小説が見向きもされず、ゲームにしろ、動画にしろ、安くてお手軽な時間潰しにシェアを奪われ続けている。 しかし、それが現実なのだ。ここで何か捻り出さなければ、小説が人々の生活の中から消えてしまう。
(第三章 3)
(第三章 3)






































