緊急事態宣言下の列車減便は正しかったのか!? ~京阪電車の臨時ダイヤを見て考える~ | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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4月末頃から一部の都府県に出された緊急事態宣言では、国や自治体による圧力によって各鉄道会社に列車の減便が強いられるといった出来事がありました。

需要実態に沿わない形での減便は正しいとは言い難く、実際に各鉄道事業者も苦慮され、最終的には通常ダイヤに戻す決断をした事業者も出てくる形となりました。

その中で関西にある京阪電気鉄道(京阪電車)はダイヤを根本から変更する形の臨時ダイヤへと変更し、ゴールデンウィーク期間中の土日祝日をこのダイヤにて運行しました(平日は通常ダイヤにて運行)。

一部の列車を運休にするなどして対応した各社とは異なる根本的にダイヤを変えるという大きな決断に踏み切った京阪電車、果たしてその判断は正しかったのか、実際に乗車して検証してみました。

 

 

臨時ダイヤの詳細について紹介します。

まず京阪本線(淀屋橋~出町柳)ですが、日中は特急と準急がそれぞれ20分おきに運行される形になっていました。

朝夕は快速急行、急行などが加わりこれよりも多い本数が確保されたほか、特急も15分おきになっていますが、通常のダイヤよりも少ない本数での運行となっています。

 

 

京阪本線の各駅停車及び中之島線ですが、日中は20分おきに中之島~萱島間にて各駅停車が運行されました。

朝夕は各駅停車の本数が増えるほか、加えて中之島~萱島間の区間急行が運行される形となりました。

各駅停車と区間急行は通常ダイヤと同様に萱島にて準急に接続するダイヤとなっており、各駅の需要をうまくカバーしたダイヤになっていました。

 

 

京阪電車の特急は通常は専属の2扉及び3扉車を使用して運行していますが、臨時ダイヤでは一般車両(ロングシート車)にて運行されました。このため、全ての列車でプレミアムカーサービスを中止しての運行となりました。

 

 

続いて支線です。交野線、宇治線は日中は20分おきの運行、朝夕はおおむね10~15分おきに運行されていました。

こちらは通常ダイヤの半分程度の本数での運行となっています。

 

 

ここまでダイヤの詳細について紹介しましたが、ここからは実際に乗車して感じた点などをお話ししたいと思います。

まず混雑についてですが、乗り切れないほど混んでいるという列車は見受けられませんでした。

これは臨時ダイヤでの運行日をゴールデンウィーク中の土日祝日に限定し、平日は通常ダイヤとしたことが功を奏したと考えられます。

特急列車については長距離を利用する乗客が減ったこともあってか空いている列車も見受けられましたが、本数が特に減ることになる枚方市~三条あたりまでの区間では座席が埋まり、立ち客が多く出る程度の混雑になる列車は見られました。

準急については通常ダイヤと大きく異なり、淀屋橋から枚方市まで先着、枚方市で特急を待避した後は出町柳まで先着という形となっていたため、通常よりも先着となる駅が多くなってしまい、混雑している区間が多くありました。

特に淀屋橋から枚方市の間は、いつも準急を利用する守口市、寝屋川市、香里園などへ行く乗客に加えて、枚方市へ行く乗客も先着ということで乗車してくるため、いつも以上に混雑していた列車が目立ったように感じられました。

 

 

各駅停車、区間急行については目立った混雑は見られず、多くても通常と変わらない程度の乗車率であったと思います。

但し、支線については半分の本数へ減らされたことで混雑が発生し、特に宇治線は観光の需要があったため大変な混雑となっていた列車も見受けられました。

 

このように実際に見てみて大きな混乱が起こらなかったことは確認できましたが、これが通常の土休日ダイヤで運行されていればさらに混雑が緩和されて人と人との距離が保てたと思いますし、どう見ても列車の減便が感染症対策になっていないことは明らかでした。

土日祝日でも出勤する方、部活動や補講等で学校へ向かう学生の姿がありましたので、こういった方々を不便にしているのも問題があります。

関東などでは平日ダイヤの日に減便を行い、大混雑となった路線(JR山手線、京浜東北線など)もあると耳にしますので、仕事や学校等があり需要が実際にある中で、国や行政が一方的な判断で鉄道事業者に減便を強いるというやり方は非常に問題があります。

鉄道事業者は実際の需要を鑑みて必要に応じた減便、増便を決めているわけですから、そういった判断はプロである鉄道事業者に委ねるべきだと思います。

また、国や自治体に従い減便を実施した鉄道事業者に対して、国や自治体などは一切の補償を行っていません。これまでも何度も申し上げてきたように、緊急事態宣言の発令や自粛を要請する場合はお願いする側(国、行政等)から100%の補償が必要であると考えています。鉄道事業者もこの状況で大変な経営状態の悪化となっていますので、繰り返すようですが十分な補償を強く強く求めたいと思います。

 

なお、京阪電車の臨時ダイヤでの運行は引き続き緊急事態宣言が解除されるまでの間、土休日に実施されています。

ご利用の際は十分ご注意ください。

 

なお、今回の取材にあたりましては、マスクの着用、混雑した列車を極力避けての利用、他人との距離の確保など、できる限りの感染症対策を十分に実施した上で行い、今日まで感染症に関係する症状が全くないことを加えてお知らせいたします。

また、今回の京阪電車の利用にあたっては同社のフリーきっぷなどを購入し、京阪グループのホテルに宿泊するなど、様々な面で京阪グループのサービスを利用しました。こちらについても今後機会がありましたら紹介していきたいと思います。

 

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