特快T8379次 広州東→恵州 | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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今回から数回は中国広東省の恵州方面の鉄道やバスについて取り上げていきます。

一回目は中国のローカル列車の乗車レポートをお送りします。

 

 

旅の始まりは広東省の省都でもある広州にある広州東駅。

昔ながらの広州駅とは違い、広州東駅は高速鉄道の整備などで栄えた駅ですので非常にきれいで新しいです。

恒例の手荷物検査を受けて駅構内へ入ります。広州東駅は深圳行き高速列車の窓口が構内にあるため、構内に入る際には切符のチェックはなく、手荷物検査のみで入れます。尚、長距離列車などの窓口は駅の外の階段から二階へ上がった所にありますのでご注意ください。

乗車口も深圳行き、香港(九龍)行き、その他の長距離列車で分かれていますので十分な確認が必要です。今回は構内から上の階にある長距離列車の乗車口へと向かいます。

 

 

長距離列車の待合室はとても広大で、夜行列車の発車時間には多くの乗客が利用するものと思われます。

訪れた時間帯は夜行列車の発着はあまりない時間でとても閑散としていました。

 

 

既に改札が始まっていましたのでホームへと移動します。

この時は改札口には人はおらず、切符は乗車の際に車掌がチェックする形になっていました。

今回乗車する列車は6番乗り場からの発車で、跨線橋を使ってホームへと向かいます。

 

 

今回乗車したのは広州東発汕頭(汕头)行きの特快T8379列車です。

途中、恵州、梅州などを経由して汕頭まで8時間以上かけて運行する昼行の長距離列車となります。

高速列車ではありませんので、機関車に客車を連結したレトロな編成です。尚、機関車は乗車後に連結されましたが、ディーゼル機関車による牽引でした。梅州方面の末端の区間が恐らく非電化なのでしょう。

 

 

特快T8379列車は全車軟座車による運行です。硬座車両の連結はありませんので、その分少し運賃は高めです。今回乗車した広州東から恵州までは57.5元(約920円)でした。

私の乗車した先頭の客車車両は4人掛けのボックスシートが並んでいました。座席の横幅や足元は広々としており、さすがは軟座車といったところですね。食事もしやすいように大きめのテーブルも用意されています。

先頭車両は車両の前方がカーテンで仕切られており、乗務員の休憩スペースになっていました。

 

 

連結されている一部の車両は2人掛けの方向固定の座席が並んでおり、こちらはリクライニング機能がついていました。

旅情が感じられるボックスシートがよいか、はたまたより快適なリクライニングシートがよいか、好みの分かれる所だと思います。

 

客車とは言え年式の古い車両ではないため、全ての車両には電光の案内表示器がついています。

また、中国の鉄道ではおなしじみの給湯器も各車両に備えられていました。

 

 

機関車が連結されて列車は時間通りの15:20に広州東駅を発車。

しばらくは深圳方面の高速列車や香港行きの城際直通列車の走る広深線との併用区間を走行します。

この区間は高速列車用の線路と客車列車用の線路が複線ずつ敷かれている複々線になっています。

客車列車とはいえ特快列車ですので100km/h以上の速度を出して走行します。

 

 

発車後しばらくして車内販売のワゴンが回ってきました。中国の列車では一部の短距離列車を除いて基本的に車内販売があります。

丁度手持ちの飲み物が少なかったのでミネラルウォーターを購入しました。コカ・コーラの中国法人が販売しているもののようです。

 

 

特快T8379列車は東莞駅及び常平駅には停車しませんので、この二駅は通過していきます。

高速列車が停車する駅を客車で通過するというのもまた新鮮です。

 

 

常平駅を通過すると広深線を離れ、京九線へと入ります。

深圳からの線路とも合流しますが、この先は複線となります。

 

そして列車は東莞東駅に停車。短距離での利用も多い列車のようで、この車両からもいくらかの乗客が降りていきました。

 

 

東莞東駅を出てしばらくして二度目の車内販売がやってきましたが、今度は商品を紹介するテレビショッピングのような形の車内販売でした。こちらも鉄路局公認で行われているもので、車掌さんも総出で紹介をする本格的なものでした。

商品自体は大きな袋に何個も入ったものでしたが、各号車の乗客全員にひとつずつ試食として商品が渡されました。紹介後、実際に食べて気に入った人が購入していくという感じのようです。

中身はドライフルーツで、種が少し大きめですが甘酸っぱくとても美味しかったです。実際に購入した人も少なくなく、この車内では購入すると何袋もサービスでつけてくれる大盤振る舞いでした。ユニークで商売熱心な車内販売が見れてとても楽しかったです。

 

 

京九線に入ると郊外の街や山間部など、街中を走るような場所はあまりなく、のどかな車窓を眺めながら列車は進んでいきます。

途中、常平東から出ている広恵城際線らしき線路とも交差しました。

 

 

そして広州東駅から約1時間45分、ほぼ定刻に恵州駅に到着しました。今回はここで下車します。

広州東~恵州間だけの乗客も多く、自分の乗っていた号車からは8割方の乗客が降りていきました。

列車はこの先更に6時間半以上かけて、終点の汕頭まで運行されます。