桃園機場捷運 直達車 台北車站→機場第二航廈(インタウン・チェックイン利用) | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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今回は桃園空港への新しい交通手段として開業した桃園機場捷運について紹介します。

 

数度の開業延期を重ね、2017年2月にプレ開業を果たした桃園機場捷運(桃園MRT空港線)です。

台北市内や新北市などから桃園国際空港へ向かう空港アクセス鉄道としての役目を果たしており、台北駅から桃園空港第二ターミナルまでは直達車(急行列車)でおよそ40分ほどで結ばれています。

この夏の台湾行きでは、台湾からの復路でこの桃園機場捷運を利用してみましたので、その様子を紹介していきたいと思います。

 

 

スタートは台北車站(台北駅)からです。

今回はチャイナエアラインの利用でしたので、まずは搭乗日の朝に先に台北車站のインタウン・チェックインを利用しました。

桃園機場捷運の台北車站は台鐵等の台北駅と台北MRT松山新店線の北門駅とのほぼ中間地点にあり、台北駅から徒歩でアクセスするとかなり歩かされます。実際に台北轉運站(台北高速バスターミナル)から徒歩で歩いてみましたが20分ほどかかりましたので、台北駅からのアクセスも15~20分程度は見ておく必要があります。同様にMRT北門駅からも地下道を経由して10~15分ほどで到着できます。

 

桃園機場捷運の台北車站ではインタウン・チェックインの設備が設けられています。

こちらで飛行機の搭乗手続きや手荷物を預けてしまうことができ、身軽に空港へ向かうことができるだけでなく、朝に手続きを済ませた後、ギリギリまで市内観光を楽しむこともできます。

このインタウン・チェックインの利用は桃園機場捷運の乗車の有無に関わらず利用できますので、手続きだけをここで行い、市内の適当な場所から空港バスを利用するといったこともできます。

現在、インタウン・チェックインに対応している航空会社は台湾側のエバー航空、チャイナエアラインと、各社の系列であるユニー航空、マンダリン航空の合計4社で国際線のみの対応です。インタウン・チェックインカウンターの営業時間は朝6時~夜21時半までで、当日分のみのチェックイン手続きが可能です。

 

手続きはほぼ全自動となっており、基本は乗客自身で行う形になりますが、現在は各所に多くの地上係員が配置されており、手続きをサポートしてくれます。日本人の方には日本語ができる係員さんが対応してくれるようです。尚、チェックインのみ従来の地上係員のいるカウンターも設けられていますが、チェックインも基本的には自動チェックイン機の利用となります。

まずは自動チェックイン機で航空券を発券します。Eチケットの番号を入力し、パスポートをスキャンすると航空券を発券できます。自動チェックイン機も多言語対応で、日本語にも対応していました。

 

その後、預け荷物がある場合は手荷物預けカウンターへ向かいます。こちらも手荷物を預ける機械を自分で操作する形になっており、自分で機械に荷物を載せ、タッチパネルを操作して荷物を預けます。

手荷物のタグも自分で貼り付ける形になっていますので、忘れないようにしましょう。

2つ以上の預け荷物がある場合は続けて預ける項目を選び、ひとつずつ手荷物を載せて預け操作を行う必要があります。

 

 

最後に預けた荷物がX線検査を通ったかどうかを自身で確認します。

荷物内に危険品等があった場合には再検査となりますので、近くの係員に声をかける必要があります。

最近はモバイルバッテリーなどを受託手荷物に入れることができませんので、預けてしまわないように注意が必要です。

自分の荷物がX線検査を通過したことが確認できたら、手荷物を預けた際にもらった控えを手元に用意し、近くにあるスキャン機に控えのバーコードをかざします。これで全ての手続きは終了です。

 

 

その後、カウンターそばにある改札口を通り列車に乗り込みます。

自動券売機は改札そばにあり、こちらで悠遊カード、iPASSカードのチャージを行うことができます。

桃園機場捷運は現在、上記二つのICカードに加え、有錢卡(ハッピーキャッシュカード)での乗車もできるようになっています。

ホームは普通列車と直達車で分かれており、今回は直達車で桃園空港第二ターミナルを目指します。

直達車は15分おきに運行されていますが、発車間際になると車内は混雑し、着席できない乗客も見られましたので早めに乗車することをおすすめします。

運賃については直達車、普通列車共に台北駅から桃園空港各ターミナルまで片道160元です。

 

 

直達車は普通車とは異なる専用の車両を使用しており、車内は固定式のクロスシートを採用しています。

椅子は少し硬めですが、40分程度の乗車であれば問題ないレベルであると感じました。

 

 

荷物置き場は各車両車端部やドア付近に数か所設置されています。

 

 

ほとんどの座席には大型テーブルと読書灯が設置されています。

読書灯は肘掛にあるボタンで操作することができます。

テーブルはノートパソコンなどを置くことができるサイズです。尚、桃園機場捷運では車内での飲食は禁止されていますので(違反すると罰金が科せられます)、十分ご注意ください。

 

このほかの設備としては、車内には桃園空港を発着する飛行機の時間が表示されるモニターがあります。しかし、すぐの時間の発着便しか表示されないため、正直な所あまり役に立ちません。ここに表示されている便にはほぼ間に合わないと考えてよいと思います。

 

 

ここからは車窓の紹介です。

台北車站を発車した列車はしばらく地下区間を走行しますが、割とすぐに地上に出て高架区間を走行し始めます。新北市に入ると三重駅を通過。こちらは台北MRTとの乗り換え駅ですが普通列車のみの停車です。

 

 

桃園機場捷運は比較的長い区間を中山高速公路と並走しています。

列車は次の停車駅である新北産業園區駅に停車。このあたりはまだまだ開発途中の印象を受けます。

 

 

新北産業園區の次は長庚醫院まで止まりません。新北市内の各駅を通過すると、列車は山間部に入ります。桃園機場捷運はカーブが多く、速度はあまり出ていないように感じました。

 

 

再び街中に出ると列車は長庚醫院駅に停車。こちらは林口長庚醫院という病院の最寄り駅で、通院での利用者も多い場所です。桃園市内に位置しており、多くの路線バスにも乗り換えが可能です。

長庚醫院駅では先に出た普通列車を追い越します。直達車は機場第二航廈(桃園空港第二ターミナル)行き、普通列車は終点の環北行きとなっていますので、機場第二航廈より先、大園、高鐵桃園、環北方面へ向かう場合はこちらで普通列車へ乗り換えると便利だと思います。また、三井アウトレット林口の最寄り駅である林口駅には直達車は止まりませんので、こちらで普通列車に乗り換えとなります。

 

 

長庚醫院の次は機場第一航廈(桃園空港第一ターミナル)まで止まりません。列車はしばらく山間部を走行し、空港に近づくと再び地下へと入ります。

 

 

桃園空港では先に機場第一航廈駅(桃園空港第一ターミナル駅)、続いて終点の機場第二航廈駅(桃園空港第二ターミナル駅)の順に停車します。利用する航空会社によってターミナルが異なりますので、事前にしっかりと確認するようにしましょう。

チャイナエアラインやエバー航空の日本行き路線は第二ターミナルからの出発となりますので、終点の機場第二航廈駅まで乗車します。

直達車はこの駅が終点となります。この先の高鐵桃園、環北方面へは到着した同じホームで後続の環北行きの普通列車を待つことになります。

 

 

改札口を出るとターミナルへの連絡通路がありますが、チャイナエアラインとエバー航空では向かう方向が正反対になります。他の航空会社でも向かう方向がそれぞれ異なりますので、駅を出た所にある案内表示を確認の上、間違いのないようにターミナルへと移動します。

 

桃園機場捷運については、台北駅の場所が悪く、なおかつ運賃も高めということで、利便性は高くないように感じる面が多くありました。台北駅から桃園空港へ向かうことだけに特化すれば、駅のそばにバスターミナルを設けている國光客運も引き続き便利なようにも感じます。

しかし、桃園空港まで時間が読める交通手段ができ、かつインタウン・チェックインなどのサービスも提供しているということで、桃園機場捷運の利用価値もとても高いと感じました。台北駅からだけでなく、三重駅なども活用すればより便利に桃園機場捷運を利用できるのではないかと思います。

また、三井アウトレット林口へのアクセスなど空港アクセス以外の面でも便利な鉄道ですので、様々な機会で今後も利用することになるでしょう。

 

桃園機場捷運の時刻表は下記のニュー台湾時刻表2017年5月号などでも確認することができます。