今回は香港、新界エリアにあるごじんまりしたバスターミナルを紹介します。
屯門付近を始発とするバス路線は非常に多く存在し、この付近は小さなバスターミナルがあちこちにありますが、この大興巴士總站もそのひとつです。
小さなバスターミナルながら発着するバスの本数は多いため、運行時間中は沢山のバスが発車を待っています。
この大興巴士總站は軽鐵の大興(南)駅に隣接しており、軽鐵とバスをスムーズに乗り継ぐことができます。せっかくなので、軽鐵駅の方も簡単に紹介しましょう。
軽鐵は専用軌道を走行する区間が多いのですが、大興(南)駅付近は併用軌道を走行しています。道路を挟んで両端に線路がある形での複線で、道路も車線の一部に入るため、軌道上を車も走行します。電車は「カンカン」という鐘のような警笛を鳴らしながらゆっくりと進入してきます。
ホームの高さは日本の路面電車のような低いものではなく、普通の電車と同じ高さなのでホームに上がると車を見下ろすような感じになります。
大興(南)駅から大興(北)駅方向へ出ていく電車を眺めます。駅の先は急カーブになっており、電車は最徐行で曲がっていきます。車体はやや長いのですが、急カーブもしっかり曲がれる構造になっています。
さて、バスターミナルの方に戻り、ここからは大興總站を発着する路線を紹介します。大興總站を発着する終日運行路線は2路線のみと非常に少なくなっています。尚、全て九巴が運行する路線となります。
この中で最も本数が多いのは奧運(オリンピック)行きの66X線。大興を出て屯門区の複数バス停に停車した後に屯門公路経由で美孚、旺角、奧運へと向かいます。奧運はMTR奧運駅前が終点です。
運行本数はラッシュ時8分おき、昼間でも15分おきと非常に多くなっています。
屯門~九龍方面の路線は新車が優先して投入されることが多いのですが、こちらの路線も例外でなく、3台新車が並んでいる様子を見ることができました。
続いては荃湾行きの66M線。こちらも屯門公路を経由してMTR荃湾駅前へと向かいます。
本数はラッシュ時は10分おき、その他の時間帯は15~20分おきに運行されています。
九龍方面の路線とは対照的に、荃湾方面の路線は多少古い車両が充当されていることが多いです。
その他、朝夕に運行されている紅磡行きの260X線のうち、大興始発便のみがこのバスターミナルから発車していますが、本数は2本のみと非常に少ないです。
また、藍田行きの258D線などは大興總站のそばを通過しますが、バスターミナルには入りません。
これらの路線に乗車するには近くにある大興商場バス停まで歩くことになります。
こんな小さなバスターミナルである大興總站ですが、軽鐵との乗り換えの利便性が高いことや、近くに住宅地が多いことから始発からたくさんの方がバスに乗っていく様子を見ることができました。
MTR西鐵線ができた今も、乗り換えなしで目的地へ行くことのできるバスの需要はまだまだ高いようです。