今回はローカルな高速バスを利用したレポートです。
今回のスタートは台北から各地へ向かう高速バスの拠点となっている台北轉運站。独自にターミナルを持つ國光客運など一部を除き、各社の高速バスが集まる台北最大の高速バスターミナルです。
1階に切符売場、2~4階に乗り場のあるビルディングとなっており、今回乗車するバスは4階からの発車です。エスカレーターで上がった所にはこの階から出るバスの発車案内がずらり。
4階でも少し奥まった所にある10番ホームから今回乗車するバスが発車します。
今回は豊原行きの6606系統で豊原まで向かいます。6606系統は豊原方面を中心に路線バスを運行する豊原客運が運行する高速バス路線です。我が街豊原から首都台北への高速バスという感じで、豊原方面にお住まいの方のお出かけなどに使いやすいダイヤが組まれています。
土日は豊原へ帰宅する乗客の利便性確保のために午後の本数を増やし、平日はお得な割引運賃を打ち出すなど積極的な展開を行っているのも特徴的です。
車両は2010年式のハイデッカー車が使用されていました。地方の事業者ながら比較的新しい車両を持ってきているのも注目点ですね。
車内は1列+2列の偏心3列シートを採用、中程の階段下にはトイレの設備があります。
コンセントやWiFiといった今時の設備はありませんが、横幅が広く、モケット張りの昔ながらの豪華シートとなっており、豊原までの2時間少々の旅には十分な設備です。
個別テレビはありませんが、車内数か所のテレビで民放テレビ局の番組を放映していました。
今回乗車した便の出発時間では1階の豊原客運の窓口が開いていませんでしたので、乗車券は乗車時に運転手から購入しました。日本人乗客は珍しいらしく、歓迎していただけました。運賃は平日の割引時間帯でしたので、片道240元(約840円)でした。
バスは台北轉運站を出発。忠孝橋を渡り、重陽路にある修徳國中で乗車扱いを行います。
更に林口交流道で一旦高速を下り、林口長庚醫院でも乗車扱いを行います。林口には最近になって三井アウトレットもできましたので、ショッピングの利用などには便利になりましたね。こちらには窓口があり、乗車券の販売を行っています。
再び中山高速公路に戻り、今度は高速道路上にある中壢服務區で乗車扱いを行います。こちらは桃園国際空港から来た乗客の乗り換えポイントになっているようで、主に統聯客運のバスが停車しますが、この6606系統にも乗り換えすることができます。但し、利用には予め桃園国際空港発着の乗車券の購入が必要になります。この日は乗り換え客はおらず、すぐに発車となりました。
豊原客運のバスは意外と速く、統聯客運のバスなどをあっという間に追い抜いていきます。
途中、工事による車線規制があり、渋滞が発生していました。この影響でバスの方も30分程度の遅れが発生することに…。
渋滞が解消すると回復運転が始まり、台湾でも速い方と言われる新竹客運のバスも追い抜くほどの走りとなりました。
そして三義交流道で中山高速公路を下り、ここからは一般道を走行して豊原まで向かいます。一般道区間では複数の途中停留所が設けられており、この各停留所からは豊原行きに乗車することもできます。
高速を下りたものの、高速道路よりも高い所を走る場所もあり、眺めは非常に良いと感じました。
途中の后里は比較的大きな街で、ここでは何人もの方が降りていかれました。
三豊路、豊中路、三民路を経由して、バスは終点の豊原に到着。豊原は豊原客運のバスターミナルそばの路上で降車となり、台鐵豊原駅から徒歩数分の所となります。途中の渋滞の影響で約2時間半少々の所要時間で到着となりました。
豊原客運の高速バスを利用してみましたが、観光客という感じの乗客はほぼ皆無に等しく、豊原方面へ帰る地元の方や用務客の利用が多いように感じました。途中の后里へ台北から直接向かうことのできるのはこの路線くらいですし、地元に根付いたバス事業者らしい経路や客層は他社にはない特色を感じました。
豊原へは台北から統聯客運の路線も運行されており、知名度としてはそちらの方が高いかもしれませんが、地域に愛される高速バスとして、6606路にはこれからも頑張ってほしいと思います。